476 / 685
だから~どうして来るの?
しおりを挟む
いつもの僕の朝は早い。お日さまが部屋に差し込むと目が覚める。服に着替えて顔を洗いトイレに行って髪をとかす。この辺りでだいたい爺が紅茶を持って来てくれるのでお目覚めティータイムをしてお出かけ。大抵はウサギ小屋か馬小屋まで行って帰ってくるというお散歩を楽しむ。
だが、今日は違う!久しぶりのアーノルドのお部屋。旦那様の腕の中で目が覚めたのだからこれを堪能せずなんとする!
あ~、まつげ長い~。あ、白髪発見。目の下ちょとくまが…。でもやっぱりしばらくすると飽きるので這い出してお散歩へ。
あ、しまった。爺じゃないからお目覚めティーもないや。ルーティーンの1つを飛ばして外へ出た。
……うーん、今日はさすがに警備だらけだわ。迂闊に出歩くと怒られそうだからお部屋に……ん?何か騒がしい?
迷っていたドアを開けて外に出ると声を出している兵士の指す方向を見て嫌な予感がした。明らかに空を指しているんだよね。
チラッ……はい当たり~。大型気球とくれば父様だよね?どーするのよ。せっかく陛下の興味を反らしてあったのにここで見ちゃったら、父様が乗ってるの知っちゃたら……。……知らなきゃ良いんだ。そうだよ幸い早朝の今、起きてる貴族なんて父様と僕くらいだよ!今のうち隠すか帰すなりして!そうだよ!
僕は走って行った。着陸誘導係の人に早く降ろして父様と口裏あわせて、気球はトンボ帰りさせて!
気球は馬場に降りたらしい。よし!ちょうど良い……良くない……。
「オオー!久しぶりだ!相変わらずだ!」
「ハッハッハッハ!!そういうそなたもだ!」
バンバンと痛そうな音を派手にたてて相手の肩や背中を叩く父様と陛下……。ちょと、なんで陛下がいるの!
ガハガハと豪快に笑う2人を見て、「この2人密かに連絡取り合っていたんじゃないか?」と思う。だってそうでもないとこんな朝早い時間にこんな場所で驚きもしないなんてあり得ないもん。回りのお付きの人すらも居ないという事は2人ともに撒いて来ているに違いないし。あーあ、どうやらこの2人も“混ぜるな危険”らしい。
「しかし上手く行ったものだな!」
「だから任せておけと言ったであろう?」
やっぱり!
「おはようございます。陛下、父様。
良いお天気ですね。陛下は良くおやすみになられましたか?」
にっこり笑顔で2人に近づいて挨拶する。
僕の事なんてずっと前に見つけているくせして2人ともわざとらしく「おお!おはよう。」などと返してくる。
「陛下、ちょっと失礼しますね。
……父様?なんでいるの?お城は?ねぇなんで?」
そんなカッコつけてニヒルな感じを演出しても無駄です。さっき陛下と話していたよね?2人で画策してたよねぇ、ねぇ?
「いや、そ、それは……私が……」
「陛下が望んだとしても実行したのは父様です。父様はお城で陛下を待つと予定されていて、そのつもりで周りは動いているんです。……ねぇ、なんで?」
僕の普通は見せない問い詰め攻撃を見て陛下は父様を庇おうとしたけど、ダメです。一度ちゃんと迷惑だと、困るのだと言わなきゃいけないし、反省してほしい。
だが、今日は違う!久しぶりのアーノルドのお部屋。旦那様の腕の中で目が覚めたのだからこれを堪能せずなんとする!
あ~、まつげ長い~。あ、白髪発見。目の下ちょとくまが…。でもやっぱりしばらくすると飽きるので這い出してお散歩へ。
あ、しまった。爺じゃないからお目覚めティーもないや。ルーティーンの1つを飛ばして外へ出た。
……うーん、今日はさすがに警備だらけだわ。迂闊に出歩くと怒られそうだからお部屋に……ん?何か騒がしい?
迷っていたドアを開けて外に出ると声を出している兵士の指す方向を見て嫌な予感がした。明らかに空を指しているんだよね。
チラッ……はい当たり~。大型気球とくれば父様だよね?どーするのよ。せっかく陛下の興味を反らしてあったのにここで見ちゃったら、父様が乗ってるの知っちゃたら……。……知らなきゃ良いんだ。そうだよ幸い早朝の今、起きてる貴族なんて父様と僕くらいだよ!今のうち隠すか帰すなりして!そうだよ!
僕は走って行った。着陸誘導係の人に早く降ろして父様と口裏あわせて、気球はトンボ帰りさせて!
気球は馬場に降りたらしい。よし!ちょうど良い……良くない……。
「オオー!久しぶりだ!相変わらずだ!」
「ハッハッハッハ!!そういうそなたもだ!」
バンバンと痛そうな音を派手にたてて相手の肩や背中を叩く父様と陛下……。ちょと、なんで陛下がいるの!
ガハガハと豪快に笑う2人を見て、「この2人密かに連絡取り合っていたんじゃないか?」と思う。だってそうでもないとこんな朝早い時間にこんな場所で驚きもしないなんてあり得ないもん。回りのお付きの人すらも居ないという事は2人ともに撒いて来ているに違いないし。あーあ、どうやらこの2人も“混ぜるな危険”らしい。
「しかし上手く行ったものだな!」
「だから任せておけと言ったであろう?」
やっぱり!
「おはようございます。陛下、父様。
良いお天気ですね。陛下は良くおやすみになられましたか?」
にっこり笑顔で2人に近づいて挨拶する。
僕の事なんてずっと前に見つけているくせして2人ともわざとらしく「おお!おはよう。」などと返してくる。
「陛下、ちょっと失礼しますね。
……父様?なんでいるの?お城は?ねぇなんで?」
そんなカッコつけてニヒルな感じを演出しても無駄です。さっき陛下と話していたよね?2人で画策してたよねぇ、ねぇ?
「いや、そ、それは……私が……」
「陛下が望んだとしても実行したのは父様です。父様はお城で陛下を待つと予定されていて、そのつもりで周りは動いているんです。……ねぇ、なんで?」
僕の普通は見せない問い詰め攻撃を見て陛下は父様を庇おうとしたけど、ダメです。一度ちゃんと迷惑だと、困るのだと言わなきゃいけないし、反省してほしい。
22
お気に入りに追加
2,664
あなたにおすすめの小説
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
うちの冷蔵庫がダンジョンになった
空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞
ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。
そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ユウ
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています
ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた
魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。
そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。
だがその騎士にも秘密があった―――。
その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる