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アンリの受難
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私は挑戦すると言った記憶はない!なのに何故か腰にロープを付けられて空中散歩なる場所に立っている。
朝起きて食堂に行くとザサの回りには人が集まっていた。どうやらザサは母上付き人として知られてるらしくここにいる理由を聞かれていた。私はそれを軽く見ていたのだ。そこから間違いだった!
集まっていた人々はまた母上がテコ入れをして新しい楽しみを生み出すと信じていた。そんなところへ「今回はご子息が提案するんですけど、その為には知らなきゃダメだと思って連れてきてます~。」なんて言ったものだから……あれよあれよという間に連れ出され、過去数回のクリア経験者という案内人と共に送り出された。
「アンリ様ー、それじゃ過去最高のワースト入りですよーしっかりー!」
真下から聞こえてくるザサの声が気に触る!
出だしの壁登りでつっかえた私はこの自称案内人に手伝ってもらいながら進んでいたのだがこの通称“ブランコ渡り”と呼ばれているところで足がすくんでしまった。正直ロープ渡りは良いのだ散々、船でやらされたから。
「ほらほらアンリ様ー、進んでー!」
急かされ、励まされ、やっと渡り終えた私はザサに「うるさい!怖いんだ!」と怒鳴った。そしたら一緒にいた者達が一斉に「素直だ」と笑ったのだ。
「っていうか、従者がこんな言い方してるのに『無礼者』って言わないんだなぁ。」
「そう言えばそうだな?お貴族様って言えば直ぐ『無礼』って言うよな?」
「朝も思ったが、ザサさんノエル様の時より従者って感じしないよな?」
口々に話し出す人々に、貴族ってそう見られてるのかとちょとびっくりした。
私は母上から『王族なのは僕であって子供たちは含まれない。貴族号を持つのは僕であって子供たちは後の貴族候補。主人は僕であって子供たちではない。子供たちはあくまでも大事に面倒を見てもらっているだけ。絶対に王族、貴族の子供だからと偉ぶってはいけない。王族、貴族だから偉い訳じゃない、人に認められて初めて“凄いでしょ”って威張っていい。』と育てられたからだ。
さてこんな所で時間喰ってる場合じゃない。さっき思い浮かんだ案があるんだ。合流して意見を聞かなきゃ。
「お疲れ様でした。で?途中で言ってらした案とはなんですか?ここにはちょうどアドバイザーがいっぱい居ますから聞いてみましょう?」
……アドバイザーとはこの…えっと…なんというか?脳筋の皆さん?口ぐせで『筋肉を感じて!』っていう皆さん?
「えーと、皆さんの会話を聞いていて思ったのは、筋肉を常に意識してますよね?ですから……今回は素早さを加えてみたいと。」
「ああ、なるほど。そうですねここはその要素が薄い施設でした。」
ということはもうある?
ザサ、ちょっと全部の内容伝えて?これやったことでだいたいわかる気がする。
朝起きて食堂に行くとザサの回りには人が集まっていた。どうやらザサは母上付き人として知られてるらしくここにいる理由を聞かれていた。私はそれを軽く見ていたのだ。そこから間違いだった!
集まっていた人々はまた母上がテコ入れをして新しい楽しみを生み出すと信じていた。そんなところへ「今回はご子息が提案するんですけど、その為には知らなきゃダメだと思って連れてきてます~。」なんて言ったものだから……あれよあれよという間に連れ出され、過去数回のクリア経験者という案内人と共に送り出された。
「アンリ様ー、それじゃ過去最高のワースト入りですよーしっかりー!」
真下から聞こえてくるザサの声が気に触る!
出だしの壁登りでつっかえた私はこの自称案内人に手伝ってもらいながら進んでいたのだがこの通称“ブランコ渡り”と呼ばれているところで足がすくんでしまった。正直ロープ渡りは良いのだ散々、船でやらされたから。
「ほらほらアンリ様ー、進んでー!」
急かされ、励まされ、やっと渡り終えた私はザサに「うるさい!怖いんだ!」と怒鳴った。そしたら一緒にいた者達が一斉に「素直だ」と笑ったのだ。
「っていうか、従者がこんな言い方してるのに『無礼者』って言わないんだなぁ。」
「そう言えばそうだな?お貴族様って言えば直ぐ『無礼』って言うよな?」
「朝も思ったが、ザサさんノエル様の時より従者って感じしないよな?」
口々に話し出す人々に、貴族ってそう見られてるのかとちょとびっくりした。
私は母上から『王族なのは僕であって子供たちは含まれない。貴族号を持つのは僕であって子供たちは後の貴族候補。主人は僕であって子供たちではない。子供たちはあくまでも大事に面倒を見てもらっているだけ。絶対に王族、貴族の子供だからと偉ぶってはいけない。王族、貴族だから偉い訳じゃない、人に認められて初めて“凄いでしょ”って威張っていい。』と育てられたからだ。
さてこんな所で時間喰ってる場合じゃない。さっき思い浮かんだ案があるんだ。合流して意見を聞かなきゃ。
「お疲れ様でした。で?途中で言ってらした案とはなんですか?ここにはちょうどアドバイザーがいっぱい居ますから聞いてみましょう?」
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