Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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サミュエルのお兄さんだなって感じ

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 「君がノエル殿か、話にはよく聞いてる。本当に可愛らしい人だね。……うん、これが破天荒で突拍子でもない思い付きをする規格外の……」

 案内されて向かう途中での声かけだった。
僕は今プライベートスペースへの扉を通って中庭に差し掛かった所。小さい池を眺めつつ扉を守る兵士さんがいる方へ歩いていたんだ。そうしたら途中の窓が空いてひょっこり顔を出した人がこう言った。
 思わず固まって『誰?』ってなっていたらおばあ様が「あらあら陛下ったらちゃんと待っていて下さいねって申し上げたのに。」とウフフって笑う。

 固まって動けない僕となぜかほいほい彷徨いていたこの国の王様をシグルーン女公爵おばあ様が追いたてるようにして本来予定されていた面会場所プライベートサロンに到着。まだ頭の中で?マークの飛び交う僕を陛下は楽しそうに見ていた。

 「本当に突然の事にはΩの性質が出るんだね。いや~、提督から汽車や気球の事を聞いてるし寄宿学校を含めた領政を知ると本当はαなんじゃないかって思ったりもしたけどこうして会うと何処からどう見ても可愛いΩ……利発な人って感じだね。」

 ソファーというよりもカウチというのだろうか?足を伸ばして背もたれに寄りかかりながら面白そうに僕を見る。
 挨拶を思って正面に周りΩ風の挨拶をすれば陛下はじぃぃぃぃっと僕を観察?していた。

 「うん、やっぱりノエル殿は面白そうだ。噂で聞く政策……いや、回りくどいのはやめよう。
 ノエル殿が城を出た時の話が私は好きでね。是非ともあの胸のスカッとする話を本人に聞きたかったんだよ!」

 飾るのを辞めたのは良いけどちょっと周りを気にしてほしいよ?僕に横のソファーを勧めてリラックスするように言うけどね?……後ろ。後ろ見て?
 ほーら、苦いお顔のデジレ様がいるよ?あの人、僕を追い出した中の1人で間違いないよ?

 という気持ちを込めて困った風を装っていると当のデジレ様が口を開いた。

 「ノエル殿。私にお気遣いは無用です。陛下はことのほかこのお話が好きでよくお聞きになります。」

 ……ああ。なんて残念な陛下だ。残忍ではないのが救いか?

 「デジレは此方に来て依頼、陛下をやり込める事が多くてな。その陛下が唯一デジレを笑える事がそれなんだ。私にとっては始めて神を信じた事だが。」

 なんと。陛下、提督、デジレ様はとてもよい関係を築いているらしい。これはお互いに軽口のようだね。この国でもデジレ様は知略に富んだ人として一目置かれているようだが陛下はやり込められる事が多いらしい。その意趣返しのようなものなのか。
 デジレ様が呆れた様に陛下を見るのが良い関係の証拠だろう。提督も笑ってるし、この3人実は相当仲が良いんだろうな。

 デジレ様から話してやってほしいと言われたので僕の立場からの話をしてあげよう。
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