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油断大敵
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応接室で2グループに別れてお喋り会になっている。1つはもちろんサミュエル様、トータ、マオ、僕の4人。もう片方はその番と恋人、保護者。つまりサミュエル様の番のカドラ、僕の番のアーノルド、マオの恋人コウ、全体的な保護者の爺。そこに今ローランドが呼ばれて来る途中だ。たぶんトータが待ってるから直ぐ来るよ。
「あの人か~」とマオがニヨニヨした顔で笑ってる。あの顔はろくなこと考えてないよ。そのうちとんでもないこと言い出すぞ。
どうするか…念のためにあっちのグループからもう少し離れるか?口塞ぐ用意しとくか?
僕はちょっと考えて大きめのスポンジケーキを手に用意した。
「なるほどね~、良いガタイしてる。んん~?確か有名な船大工にそんな名前の人が……?」
ニヨニヨグフグフと笑ってたマオは途中で何かを思い出したように首を傾げている。しばらく「ん~?」って悩んでて答えが出て来なかったのだろう。サミュエル様に助けを求める視線を投げた。それに対してサミュエル様はやっぱり「ん~?」って今度は2人で首を傾げた。この国在住……っていうか片方は番なんだから何かしら思い当たってほしいところだ。
「爺、爺~。」
こそこそと爺を呼んでカドラさんは有名な人なのかと訪ねると、『若手の中でも飛び抜けた才能のある人物と聞いております。』とかえってきた。
それを聞いてたマオが「!!あーー!そうだった!!」と思い出したようでウンウンと頷いていた。
「噂では名前聞いてたんだ。とにかくすっごい人なんだって!」
……うん。マオの説明は要領を得ない。爺、よろしく。
「まぁ私も船の事はわかりませんが聞くところによりますと、カドラ様の手にかかれば木を組む時に再調整が要らずビシッと決まるとか。修理に持ち込まれた船の悪い部分を一目見てわかるとか。」
ほうほう。うん。僕もよくわからなかったけど凄い人なんだね。……マオ、ごめん。
爺に戻ってもらうとサミュエル様までが「よくわかりませんが凄いです。」と嬉しそうにしていたので良しとしよう。
「あれじゃサミュエル様が疼くのもモガモガモガ!!」
ちょっと遅かった!!話が逸れたから油断しててマオの口にスポンジケーキを突っ込むのが遅れてしまった。僕が居た位置も悪かった!マオが「シッシッシッシ」と変な笑いをしたから慌てて一度置いたスポンジケーキを手に取ったのだけど僕の左横に居たので突っ込みにくかったのだ。
モグモグ………。「ノエル~なんなんだよ~。美味しかったけど。」
ちゃんと飲み込んでからのクレーム。偉い偉い。
「ここは僕達だけじゃ無いんだから!」
小声で注意するとマオは「ん?」と番たちの方を見て指でOKマークをだした。続いて口の前で指でバッテンをして頷いてる。意味が通じたようで良かった。と思っていたのに……意味が通じてないのがもう2人居た。
「え?なになに?疼く?」
「私が疼く?…ああ、今は大丈夫ですよ。一緒に買いにいったモノが役にたってますし、お揃いのキャミソールはカドラも気に入ってくれました。」
ととても良い笑顔で……声を抑える事もなく……。
僕の努力……気遣いはいったいどこへ……。
「あの人か~」とマオがニヨニヨした顔で笑ってる。あの顔はろくなこと考えてないよ。そのうちとんでもないこと言い出すぞ。
どうするか…念のためにあっちのグループからもう少し離れるか?口塞ぐ用意しとくか?
僕はちょっと考えて大きめのスポンジケーキを手に用意した。
「なるほどね~、良いガタイしてる。んん~?確か有名な船大工にそんな名前の人が……?」
ニヨニヨグフグフと笑ってたマオは途中で何かを思い出したように首を傾げている。しばらく「ん~?」って悩んでて答えが出て来なかったのだろう。サミュエル様に助けを求める視線を投げた。それに対してサミュエル様はやっぱり「ん~?」って今度は2人で首を傾げた。この国在住……っていうか片方は番なんだから何かしら思い当たってほしいところだ。
「爺、爺~。」
こそこそと爺を呼んでカドラさんは有名な人なのかと訪ねると、『若手の中でも飛び抜けた才能のある人物と聞いております。』とかえってきた。
それを聞いてたマオが「!!あーー!そうだった!!」と思い出したようでウンウンと頷いていた。
「噂では名前聞いてたんだ。とにかくすっごい人なんだって!」
……うん。マオの説明は要領を得ない。爺、よろしく。
「まぁ私も船の事はわかりませんが聞くところによりますと、カドラ様の手にかかれば木を組む時に再調整が要らずビシッと決まるとか。修理に持ち込まれた船の悪い部分を一目見てわかるとか。」
ほうほう。うん。僕もよくわからなかったけど凄い人なんだね。……マオ、ごめん。
爺に戻ってもらうとサミュエル様までが「よくわかりませんが凄いです。」と嬉しそうにしていたので良しとしよう。
「あれじゃサミュエル様が疼くのもモガモガモガ!!」
ちょっと遅かった!!話が逸れたから油断しててマオの口にスポンジケーキを突っ込むのが遅れてしまった。僕が居た位置も悪かった!マオが「シッシッシッシ」と変な笑いをしたから慌てて一度置いたスポンジケーキを手に取ったのだけど僕の左横に居たので突っ込みにくかったのだ。
モグモグ………。「ノエル~なんなんだよ~。美味しかったけど。」
ちゃんと飲み込んでからのクレーム。偉い偉い。
「ここは僕達だけじゃ無いんだから!」
小声で注意するとマオは「ん?」と番たちの方を見て指でOKマークをだした。続いて口の前で指でバッテンをして頷いてる。意味が通じたようで良かった。と思っていたのに……意味が通じてないのがもう2人居た。
「え?なになに?疼く?」
「私が疼く?…ああ、今は大丈夫ですよ。一緒に買いにいったモノが役にたってますし、お揃いのキャミソールはカドラも気に入ってくれました。」
ととても良い笑顔で……声を抑える事もなく……。
僕の努力……気遣いはいったいどこへ……。
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