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報告書
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侍従の報告
『ノエル様におかれましては本日もお元気にお過ごしのご様子。何事も問題なく穏やかにてご心配要らず。』
ここで手が止まった。これは5日分を書きためては高速連絡挺で本国で待つアーノルドの元に届けられる報告書だ。
本当ならば違うことが書きたい。心のままにかけるなら『お宅のノエル様、問題ばっかりで大変です!従者の言うこと全く聞かないし、悪友どもと連れ立って歩くから問題引き寄せるし手がかかるんです!』と書きなぐりたい。しかし、ふらふら出歩いた先で交易品を見つけて来たり、輸入に至ってない品を見つけて来たりその土地の有力者と良い関係を築いたりと結果、良いようになってしまってる為にそう変には書けない。
唯一、『言うこと聞かないからこういう様になったじゃないか!』と書ける事といえば日焼け事件くらいなのだがそんな事書こうものなら“主の為に日傘も射しかけられない怠慢な従者”となっておりしまうだろう。
ペンを置いて外を見れば朝早くから出かけていた問題の主が戻って来た。今日は自分は休みになっているため向かえには出ない。はぁ、今日は何がおきるだろう。
侍女の報告
「本日は早朝よりデジレ様からご招待がありお出かけ。提督、デジレ様に知恵を請われたご様子。(内容は侍女Aよりご報告)一刻後にはお暇して戻られました。本日もお元気でお過ごしです。」
嘘も方便 心の中でそう思った。だって提督xデジレ様の秘め事(?)失敗談をアーノルド様が知りたいか?実父の営み、しかも受け入れ側で。だからこれで良いのだと頷く。ノエル様だけの報告ならいくらでもあるが些細な日常的な事だけにわざわざ書くこともなく、少し面白味に欠ける報告書にがっかりした。
リリーからお父様へ
お兄様がお母様に船を別にして帰るとお話ししてから、お母様は夜になるとお兄様のお部屋に行きます。それも皆が寝てからです。お母様の後についていってみたらお母様はお兄様が寝ている頭のところで「一緒の船で帰るんだよ~、お母様達と一緒の船でだよ~」って言ってました。恐かったです。
お兄様は私に「一度皆と同じ船にのって暫くしたら船を移るから、気づいた時にリリーから言ってね」と言われましたがそんな事したらお母様がまた大変になるので嫌です。
お母様は、お兄様が「離れる」と言うと私とエンジュをおんぶと抱っこで離れられないようにしてお兄様に張り付いてます。力さえあればお兄様さえ抱っこしそうです。
明後日のお昼に南の島を出ることになりました。デジレお祖父様が限界という理由だそうです。お祖父様は提督様とのんびりなさると言ってお山の中の家にお2人でいたのですけれど、お休みしないでいっぱい動きすぎたんですって。お祖父様はとても頑張り屋さんなんだと思います。
お父様、南の島はとても美味しい果物がいっぱいです。少しお送りしますので食べて下さいね。
これらを読んだアーノルドは大きなため息をついた後、リリーからの果物を食べつつそっと泣いた。
……父の秘め事をこんな形で知りたくなかった。リリーの純粋さがいとおしい。
『ノエル様におかれましては本日もお元気にお過ごしのご様子。何事も問題なく穏やかにてご心配要らず。』
ここで手が止まった。これは5日分を書きためては高速連絡挺で本国で待つアーノルドの元に届けられる報告書だ。
本当ならば違うことが書きたい。心のままにかけるなら『お宅のノエル様、問題ばっかりで大変です!従者の言うこと全く聞かないし、悪友どもと連れ立って歩くから問題引き寄せるし手がかかるんです!』と書きなぐりたい。しかし、ふらふら出歩いた先で交易品を見つけて来たり、輸入に至ってない品を見つけて来たりその土地の有力者と良い関係を築いたりと結果、良いようになってしまってる為にそう変には書けない。
唯一、『言うこと聞かないからこういう様になったじゃないか!』と書ける事といえば日焼け事件くらいなのだがそんな事書こうものなら“主の為に日傘も射しかけられない怠慢な従者”となっておりしまうだろう。
ペンを置いて外を見れば朝早くから出かけていた問題の主が戻って来た。今日は自分は休みになっているため向かえには出ない。はぁ、今日は何がおきるだろう。
侍女の報告
「本日は早朝よりデジレ様からご招待がありお出かけ。提督、デジレ様に知恵を請われたご様子。(内容は侍女Aよりご報告)一刻後にはお暇して戻られました。本日もお元気でお過ごしです。」
嘘も方便 心の中でそう思った。だって提督xデジレ様の秘め事(?)失敗談をアーノルド様が知りたいか?実父の営み、しかも受け入れ側で。だからこれで良いのだと頷く。ノエル様だけの報告ならいくらでもあるが些細な日常的な事だけにわざわざ書くこともなく、少し面白味に欠ける報告書にがっかりした。
リリーからお父様へ
お兄様がお母様に船を別にして帰るとお話ししてから、お母様は夜になるとお兄様のお部屋に行きます。それも皆が寝てからです。お母様の後についていってみたらお母様はお兄様が寝ている頭のところで「一緒の船で帰るんだよ~、お母様達と一緒の船でだよ~」って言ってました。恐かったです。
お兄様は私に「一度皆と同じ船にのって暫くしたら船を移るから、気づいた時にリリーから言ってね」と言われましたがそんな事したらお母様がまた大変になるので嫌です。
お母様は、お兄様が「離れる」と言うと私とエンジュをおんぶと抱っこで離れられないようにしてお兄様に張り付いてます。力さえあればお兄様さえ抱っこしそうです。
明後日のお昼に南の島を出ることになりました。デジレお祖父様が限界という理由だそうです。お祖父様は提督様とのんびりなさると言ってお山の中の家にお2人でいたのですけれど、お休みしないでいっぱい動きすぎたんですって。お祖父様はとても頑張り屋さんなんだと思います。
お父様、南の島はとても美味しい果物がいっぱいです。少しお送りしますので食べて下さいね。
これらを読んだアーノルドは大きなため息をついた後、リリーからの果物を食べつつそっと泣いた。
……父の秘め事をこんな形で知りたくなかった。リリーの純粋さがいとおしい。
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