424 / 685
リリー目線
しおりを挟む
お母様は昨日の夜会から帰ってきて嬉しそう。今朝、朝ごはんのときに「提督のお母様がいらっしゃるよ。」と言っていたからその方と会うのが嬉しいのだろう。でも私たちに「お婆様とよんであげてね」と言っていた。聞いたらもうご老人のご婦人なのでそう呼ばれたいという事なのだけど……多分、何かの大人の事情ね。そんな雰囲気だったわ。
お会いしたお婆様は、お母様に似ていた。私は『やっぱり大人の事情』って思ったけど、子供の私は知らない方が良いのだろう。だってお母様は私には難しいお話しもよくする。私はお祖母様のお気に入りだから成人したら王族入りするだろうから何でも聞いておいた方が良いって言って教えてくれるのだ。でもそのお母様が言わないのなら知らなくて良い事なのだろう。
お婆様は私と弟のエンジュを見たら凄いスピードで側に来てくれた。お婆様を案内してお庭に一緒に来たお母様はお婆様の速さについてこれず慌てて走って来たくらい。
「まぁぁぁぁ!!なんて可愛いのぉぉ!!」
お祖母様(お母様のお母様)の趣味で今日の私は真っ白のエプロンドレスに真っ白のボンネットをかぶって真っ白のペチコートに靴下に靴と真っ白白なんだけど、このお婆様も好みみたい。それにお祖母様と同じ叫び……考えないでおこう。
それにしてもこのお婆様は力があるらしい。お母様は私とエンジュを両方一片に抱えることが出来ないけどお婆様は私もエンジュも腕に抱いてクルクル回っている。……そろそろ目が回るわ。
お婆様のクルクルはエンジュがギャーーと泣いた事で終わった。エンジュにとっては怖かったのかもしれない。だって知らない人にお母様の抱っこよりも高い位置でクルクルされたんだもの。
「お婆様、花かんむり作って遊びましょ?」
お母様が泣き止まないエンジュに右往左往してるからお客様であるお婆様のお相手は私のお仕事だ。お婆様はシンプルなモスグリーンのドレスだからピンクの花かんむりを作ってあげた。本当なら白い小花も編み込んで豪華にしたかったけど。ここには同じ大きさのお花しかないからしょうがない。
「リリーはとても上手に花かんむりを作るのね?」
作ってあげた花かんむりをかぶってお婆様が誉めてくれる。嬉しくてお母様に教わったこと、お祖父様もお祖母様も花かんむりが好きだといってくれる事をはなした。
・・・・・・・・・
癇癪をおこしたエンジュを宥めてリリーのところに戻るとお婆様と一緒に花かんむりを作っていた。何を話していたのか聞き取れなかったけれどお婆様はとても幸せそうに笑っている。
「ノエル様、義母はあんなに笑うのは久しぶりに見ました。お会いしていただいて感謝いたします。」
いつの間にか後ろに来ていたデジレ様はお婆様を義母と呼ぶ。まぁ、提督のお母様なんだから立場上そうなんだけど、最近ここの血筋関係を知ったのでなんだか頭がごちゃごちゃしてきたよ。
素直にそう言うとデジレ様も知った時は頭を抱えたそうだ。
「まぁ、そんなときにナンですが……アンリが此方に来たときは背景も含め全て教えますのでご了承下さい。」
……そーだよね。当然知らせるよね?でもあの子、また爆発しないかな?
お会いしたお婆様は、お母様に似ていた。私は『やっぱり大人の事情』って思ったけど、子供の私は知らない方が良いのだろう。だってお母様は私には難しいお話しもよくする。私はお祖母様のお気に入りだから成人したら王族入りするだろうから何でも聞いておいた方が良いって言って教えてくれるのだ。でもそのお母様が言わないのなら知らなくて良い事なのだろう。
お婆様は私と弟のエンジュを見たら凄いスピードで側に来てくれた。お婆様を案内してお庭に一緒に来たお母様はお婆様の速さについてこれず慌てて走って来たくらい。
「まぁぁぁぁ!!なんて可愛いのぉぉ!!」
お祖母様(お母様のお母様)の趣味で今日の私は真っ白のエプロンドレスに真っ白のボンネットをかぶって真っ白のペチコートに靴下に靴と真っ白白なんだけど、このお婆様も好みみたい。それにお祖母様と同じ叫び……考えないでおこう。
それにしてもこのお婆様は力があるらしい。お母様は私とエンジュを両方一片に抱えることが出来ないけどお婆様は私もエンジュも腕に抱いてクルクル回っている。……そろそろ目が回るわ。
お婆様のクルクルはエンジュがギャーーと泣いた事で終わった。エンジュにとっては怖かったのかもしれない。だって知らない人にお母様の抱っこよりも高い位置でクルクルされたんだもの。
「お婆様、花かんむり作って遊びましょ?」
お母様が泣き止まないエンジュに右往左往してるからお客様であるお婆様のお相手は私のお仕事だ。お婆様はシンプルなモスグリーンのドレスだからピンクの花かんむりを作ってあげた。本当なら白い小花も編み込んで豪華にしたかったけど。ここには同じ大きさのお花しかないからしょうがない。
「リリーはとても上手に花かんむりを作るのね?」
作ってあげた花かんむりをかぶってお婆様が誉めてくれる。嬉しくてお母様に教わったこと、お祖父様もお祖母様も花かんむりが好きだといってくれる事をはなした。
・・・・・・・・・
癇癪をおこしたエンジュを宥めてリリーのところに戻るとお婆様と一緒に花かんむりを作っていた。何を話していたのか聞き取れなかったけれどお婆様はとても幸せそうに笑っている。
「ノエル様、義母はあんなに笑うのは久しぶりに見ました。お会いしていただいて感謝いたします。」
いつの間にか後ろに来ていたデジレ様はお婆様を義母と呼ぶ。まぁ、提督のお母様なんだから立場上そうなんだけど、最近ここの血筋関係を知ったのでなんだか頭がごちゃごちゃしてきたよ。
素直にそう言うとデジレ様も知った時は頭を抱えたそうだ。
「まぁ、そんなときにナンですが……アンリが此方に来たときは背景も含め全て教えますのでご了承下さい。」
……そーだよね。当然知らせるよね?でもあの子、また爆発しないかな?
32
お気に入りに追加
2,676
あなたにおすすめの小説

身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる