403 / 685
新しい友達
しおりを挟む
了承を伝えるとすぐにベールを被った人が案内されてきた。
デジレ様はその人に何かを伝えると僕の前にその人を座らせる小さな声で
「ノエル様、こちらは王弟のサミュエル様です。」
と告げた。
デジレ様の声の小ささや目隠しを用意した事から、あまり人と関わるのを回りが良しとしないのか、本人が公の場が嫌なのかはわからないけど僕と会ってると公にしたくないのだと判断して僕も小さな声で自己紹介をした。
「このような形でお会いする事を許して下さい。……その……私は…あまり人が……。」
なるほど、人が多いのが苦手なお人か。
「はじめまして。私もあまり目立つのは苦手なので大丈夫ですよ。」
…………なにこの間。デジレ様と提督ばかりかお会いしたばかりのサミュエル様とそのお付きの人までなんでそんな目で僕を見るの?!
あぁ、サミュエル様のその『そうなの?』って言いたそうな目、母様にそっくり。まぁそうだよね母様は王妹だからサミュエル様とは姉弟だもんね。
この間が息苦しかったのかサミュエル様は無理やり話題を引き出す。
「……えぇと…私の母はノエル様のお母様と同じなのです。ノエル様のお母様とは本当に姉弟ですので」
僕もなんとか会話にしなければと思って「本当の僕の叔父さんなんですね!」と、つい言ってしまった。歳が近いから叔父さんとは言ってほしくなかったかなぁと気付いたのは言ってしまった後だ。
それぞれの思いが困惑した為、ぎこちない空気が流れたが無理やり話を戻す。水を向ければサミュエル様は苦手を推してまでここに来た理由を話した。
「実は…Ωとして貴方にお聞きしたい事がありまして。ですが私は人との関わり方が苦手なため将軍に紹介をお願いしたのです。」
僕の頭に『人選ミス』という言葉が浮かぶ。なんでこんなよりによってαの中のαみたいな人に仲介を頼んだ?しかも最もΩらしくない規格外のΩに会いに来た?もっとΩらしい人を探しなよ。
「ノエル様でしたらΩの立場で一番良い答えをいただけるのではないかと……」
と切々と訴えるサミュエル様は見ていてホントに可憐だ。肩までの銀髪がわずかに頬にかかりブルーグレーの目をウルウルさせて手を胸の前で組む姿はなんでも聞いてあげたくなる。
危うく「なんでも任せて!」と言いたくなるけど注意しなきゃ。……けっこう僕の回りのΩは一筋縄ではいかない人が多いから。
僕はお手本のような答えを返すしかない。
「私でお役にたてるかわかりませんが、お気持ちを話されれば少しは楽になれるのではないでしょうか。」という答えだ。
提督やデジレ様もこれはわかっていたのだろう。頷いてとにかく話してみるようにすすめた。
そうしたら……なんとサミュエル様は提督とデジレ様にΩ同士で話を進めたいので…とお二人を囲いの中から出してしまったんだ。もう厄介ごとの予感しかしない。優秀なアドバイザーもいなくなってしまったとあっては……暴走しても知らないよ~。
デジレ様はその人に何かを伝えると僕の前にその人を座らせる小さな声で
「ノエル様、こちらは王弟のサミュエル様です。」
と告げた。
デジレ様の声の小ささや目隠しを用意した事から、あまり人と関わるのを回りが良しとしないのか、本人が公の場が嫌なのかはわからないけど僕と会ってると公にしたくないのだと判断して僕も小さな声で自己紹介をした。
「このような形でお会いする事を許して下さい。……その……私は…あまり人が……。」
なるほど、人が多いのが苦手なお人か。
「はじめまして。私もあまり目立つのは苦手なので大丈夫ですよ。」
…………なにこの間。デジレ様と提督ばかりかお会いしたばかりのサミュエル様とそのお付きの人までなんでそんな目で僕を見るの?!
あぁ、サミュエル様のその『そうなの?』って言いたそうな目、母様にそっくり。まぁそうだよね母様は王妹だからサミュエル様とは姉弟だもんね。
この間が息苦しかったのかサミュエル様は無理やり話題を引き出す。
「……えぇと…私の母はノエル様のお母様と同じなのです。ノエル様のお母様とは本当に姉弟ですので」
僕もなんとか会話にしなければと思って「本当の僕の叔父さんなんですね!」と、つい言ってしまった。歳が近いから叔父さんとは言ってほしくなかったかなぁと気付いたのは言ってしまった後だ。
それぞれの思いが困惑した為、ぎこちない空気が流れたが無理やり話を戻す。水を向ければサミュエル様は苦手を推してまでここに来た理由を話した。
「実は…Ωとして貴方にお聞きしたい事がありまして。ですが私は人との関わり方が苦手なため将軍に紹介をお願いしたのです。」
僕の頭に『人選ミス』という言葉が浮かぶ。なんでこんなよりによってαの中のαみたいな人に仲介を頼んだ?しかも最もΩらしくない規格外のΩに会いに来た?もっとΩらしい人を探しなよ。
「ノエル様でしたらΩの立場で一番良い答えをいただけるのではないかと……」
と切々と訴えるサミュエル様は見ていてホントに可憐だ。肩までの銀髪がわずかに頬にかかりブルーグレーの目をウルウルさせて手を胸の前で組む姿はなんでも聞いてあげたくなる。
危うく「なんでも任せて!」と言いたくなるけど注意しなきゃ。……けっこう僕の回りのΩは一筋縄ではいかない人が多いから。
僕はお手本のような答えを返すしかない。
「私でお役にたてるかわかりませんが、お気持ちを話されれば少しは楽になれるのではないでしょうか。」という答えだ。
提督やデジレ様もこれはわかっていたのだろう。頷いてとにかく話してみるようにすすめた。
そうしたら……なんとサミュエル様は提督とデジレ様にΩ同士で話を進めたいので…とお二人を囲いの中から出してしまったんだ。もう厄介ごとの予感しかしない。優秀なアドバイザーもいなくなってしまったとあっては……暴走しても知らないよ~。
32
お気に入りに追加
2,664
あなたにおすすめの小説
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
うちの冷蔵庫がダンジョンになった
空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞
ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。
そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ユウ
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています
ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた
魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。
そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。
だがその騎士にも秘密があった―――。
その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる