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侍女同士の会話
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ノエル侍女 以降 N
提督侍女 以降 提
ノエル達がゆっくりと移動している裏側では侍従や侍女が高速で移動していた。ノエルがおぶわれて登った階段は侍女は荷物と共に馬で運ばれ、侍従は駆け上がったのだ。
N 「本日よりお世話になります。私どもはノエル様の侍女でございます。」
提 「ようこそお越しくださいました。主人が極端に名前を呼ぶのを嫌がるためこちらは将軍邸と呼ばれております。将軍邸の者、一同お越しをお待ちしておりました。」
N 「早速ですがお部屋を拝見できますか?」
提 「はい。事前に知らせを受けておりましたので最低限の用意にさせていただいております。」
N 「ありがとうございます。なにせ特殊な主人達なもので……。」
提 「その辺りはお気になさらず。当家の主人も」
はっきりと言わずとも長い侍女経験から双方共に何かを感じとり頷くことで挨拶は終了した。
普段ならば滞在先の使用人に殆どを任せ、自分達は最低限の主人の身の回りの世話のみをするのだが、人数が多いことやノエルのような特殊なΩがいたり幼児がいるためなるべく普段過ごす部屋と変わりの無い事が大事と思われた結果、移動荷物に普段使いのクッションカバーやシーツ、カーテンが入れられ滞在先へ先回りした人たちによって部屋が整えられた。
N 「やっと整ったわ!」
提 「拝見してましたが凄いですね。スピードといい出来映えといい……さすが名だたる“動じないスサエナ”ですね。」
N 「……はい?“動じないスサエナ”ですか?」
提 「ええ。あら、ご存じ無いですか?わりと使用人の間では有名でして、『スサエナ領主様のどんな要求にも答え、冷静に行動し成果を出す“動じないスサエナ”』ですよ。」
ノエルの侍女達の手が止まった。まさか自分達が他国の人にそんな二つ名で呼ばれているなどとは思いもよらなかったからだ。
提 「ああ、誤解しないでくださいね!デジレ様がスサエナ領主様の要求とその要求に対した結果の事をよく仰っていて……本当によくお答えになっていると……。」
正直、きついでしょうと同情されスサエナ側は苦笑いを返すしかなかった。
話題を変えようとするタイミングで子供部屋の用意をしていたグループが完了を伝えてきた。
提 「……それでは、皆様に是非とも…是非ともお守りいただきたい事がございます。」
急に真剣になった提督の侍女は二度是非ともと念を押した。……なんとなく予想はつくことだが。
提 「お子さまの夜の出歩きは……」
N 「させません!絶対に!!」
被せ気味の答えに一同、頷くことで了承を示した。
提 「……お気遣い、痛みいります。」
皆まで言うなと手をとって首をふって上げれば提督の侍女はうっすらと涙を浮かべた。
提 「……本っ当に……本っ当に…酷いんです。グシャグシャだし……ドロドロだし……ベショベショなんですぅうう!!」
何が、とは誰も聞かない。聞かないけどわかる。うんうんと頷いて跡片付けの大変さを理解してるよと示してあげた。
提督侍女 以降 提
ノエル達がゆっくりと移動している裏側では侍従や侍女が高速で移動していた。ノエルがおぶわれて登った階段は侍女は荷物と共に馬で運ばれ、侍従は駆け上がったのだ。
N 「本日よりお世話になります。私どもはノエル様の侍女でございます。」
提 「ようこそお越しくださいました。主人が極端に名前を呼ぶのを嫌がるためこちらは将軍邸と呼ばれております。将軍邸の者、一同お越しをお待ちしておりました。」
N 「早速ですがお部屋を拝見できますか?」
提 「はい。事前に知らせを受けておりましたので最低限の用意にさせていただいております。」
N 「ありがとうございます。なにせ特殊な主人達なもので……。」
提 「その辺りはお気になさらず。当家の主人も」
はっきりと言わずとも長い侍女経験から双方共に何かを感じとり頷くことで挨拶は終了した。
普段ならば滞在先の使用人に殆どを任せ、自分達は最低限の主人の身の回りの世話のみをするのだが、人数が多いことやノエルのような特殊なΩがいたり幼児がいるためなるべく普段過ごす部屋と変わりの無い事が大事と思われた結果、移動荷物に普段使いのクッションカバーやシーツ、カーテンが入れられ滞在先へ先回りした人たちによって部屋が整えられた。
N 「やっと整ったわ!」
提 「拝見してましたが凄いですね。スピードといい出来映えといい……さすが名だたる“動じないスサエナ”ですね。」
N 「……はい?“動じないスサエナ”ですか?」
提 「ええ。あら、ご存じ無いですか?わりと使用人の間では有名でして、『スサエナ領主様のどんな要求にも答え、冷静に行動し成果を出す“動じないスサエナ”』ですよ。」
ノエルの侍女達の手が止まった。まさか自分達が他国の人にそんな二つ名で呼ばれているなどとは思いもよらなかったからだ。
提 「ああ、誤解しないでくださいね!デジレ様がスサエナ領主様の要求とその要求に対した結果の事をよく仰っていて……本当によくお答えになっていると……。」
正直、きついでしょうと同情されスサエナ側は苦笑いを返すしかなかった。
話題を変えようとするタイミングで子供部屋の用意をしていたグループが完了を伝えてきた。
提 「……それでは、皆様に是非とも…是非ともお守りいただきたい事がございます。」
急に真剣になった提督の侍女は二度是非ともと念を押した。……なんとなく予想はつくことだが。
提 「お子さまの夜の出歩きは……」
N 「させません!絶対に!!」
被せ気味の答えに一同、頷くことで了承を示した。
提 「……お気遣い、痛みいります。」
皆まで言うなと手をとって首をふって上げれば提督の侍女はうっすらと涙を浮かべた。
提 「……本っ当に……本っ当に…酷いんです。グシャグシャだし……ドロドロだし……ベショベショなんですぅうう!!」
何が、とは誰も聞かない。聞かないけどわかる。うんうんと頷いて跡片付けの大変さを理解してるよと示してあげた。
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