Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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暴走王妃

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 「聞きましたかノエル、リリーの愛らしいお願いを。私と一緒にきれいな海をお散歩したのですって!コウ!あちらで手頃な土地はあって?」

「……買わないで下さい!」

「王妃様~売ってないよ~」

 コウとマオが同時に答えた。コウだけならともかく面白い事の為なら何でも良いというマオが無いというのだから本当に無いのだろう。

「王妃様~買えないけど今から高速艇出してこの国の王妃が立ち寄るって島のおさに伝えれば?諸手をあげて歓迎してくれて滞在中は超Vip対応してくれるんじゃん?最高の海辺のお屋敷用意してくれかも。」

「それです!マオ、褒美をあげます!ノエルに何でもおっしゃい!」

 ちょっと待って、僕が巻き込まれてる!
あああ~母様、そんな勢いよく出て行かないで、
あぁ、間に合わなかった行っちゃった。

「マオ……。」

 部屋の中でコウがマオの頬っぺたをウリウリしてるけど止めないよ。何て事言ってくれたんだマオ。
 『気をつけて母様は急には止まれない』(字余り)

 「ノエル様、ご指示を」と爺が言ってくれたので大変だけどとお願いする。

「交易予定のシルクを半分まで減らしてその分物資を入れて。フールフーガへのお土産と南の島へのお土産も積まないとね。減らしたシルクのうちから両方のお土産も用意して。量は爺に任せる。スサエナからの絨毯や織物製品も入れてね。」
 
 あとは母様も用意するだろうからそれで貰った船は積載量いっぱいになるだろう。フールフーガでお土産をおろしてその分、南の島までの食料や水を多目に積めば良いかなぁ。

「ノエル~止めてよぉ~」

 痛む頬っぺたを擦りながら涙目で逃げてきたマオを小判鮫のように背中に張り付けながら華麗にスルー。

「爺、エンジュの用意を確かめて来て。もしかして滞在が長引くかも知れないから……あの子のご飯が問題かなぁ」

「大丈夫だって。船の上は幼児食の宝庫だぞ?」

 マオ重い。後ろからのし掛からないで!
爺、宝庫って本当に?

「本当だって。どうしたってご飯の味付けは薄いものになるし獲れる魚は白身魚が多いから。」

 常に海の塩気に晒されるので食事の味付けは薄い物を心がけるのだそうだ。

「ああそうだ、爺やさん。洗濯も海水になりますけど4人分は真水を用意しましょうか。」

 ええと、赤ちゃんのエンジュと幼児のリリーと色々弱い僕と、母様?

「そうですね。お願いします。フールフーガまでは結構ですよ。遅くとも3日ほどの道のりと聞いてます。あちらで滞在が7日ありますのでフールフーガまでは洗濯せずあちらで致します。」

 爺がコウと軽く打ち合わせをしてエンジュの用意を確認に行った後、母様が満足げに戻ってきた。

「王様からお手紙が届いてましたよ。既にフールフーガと南の島へ使いを出しているそうです。ノエル、お願いがあるのよ。」

 上機嫌の母様に土産にするシルクの手配は爺に任せたと言えば「まぁあ!」と目を輝かせて僕をギュウゥゥと抱き締めた。
 母様……力!力!αって自覚して!
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