Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

文字の大きさ
上 下
361 / 685

潰れてます

しおりを挟む
 *ご注意
マオの会話がちょっと妖しいです。気になるかたは背後注意願います。



新しく誂えたお気に入りの萌木色のスーツだ。首もとは若葉をデザインした銀のブローチでリボンタイを留めている。袖もとのカフスはブローチとお揃いのものでお気に入りなのだ。足元の靴もピカピカの焦げ茶色の革靴でとても軽くて歩きやすいもの。
 しかし、これらを身につけたノエルはご機嫌にはみえない。人がいないところでは上着を脱いで寝転がり眉を寄せている。

「ノエル様、暖かいお湯ですよ。って……ちょっと酷いですね。」

 カシスに世話をやかれながら体を起こすと更に眉が寄って今にも泣き出しそうな感じだ。

「……痛い。擦れるし……痛い。」

 微かにだが顔色も良くはない様子にカシスも困ってしまう。

「後少しで提督がお見えになりますよ?お帰りになったらすぐに横になれるようにしておきますから頑張って下さい。」

 間に1日おいたとはいえアーノルドに抱き潰されたノエルの体調はすこぶる悪い。あちこちに残るキスマークという名の所有の印は別として、主に腰を中心にあちらこちらに痛みがあるのだ。

「ノエル~、生きてるか~?」

 珍しくもノックして入ってきたのはマオだが、そのマオも今日はおとなしい。何故なら昨日の午後には動けるようになったマオを趣味と実益をかねてまた抱き潰したヤツがいるからだ。

「あー、痛ぇ。酷いよコウ……せっかく治ったのにまたこんなにしやがって。」

 ノエルが横になってるカウチの下にぺたんと座るとカウチに体を預けて休んでいる。

「マオ昨日もされたの?」

 心底、可哀想にと言うノエルを見てうんうんと頷くマオは痣になった手首を見せてきた。

「見てこれ。アイツ縛って頭の上で固定したんだよ?船乗りの縛りって独特でさ、解けないんだよ。動く度に結び目が締まっていくんだ。もう最悪、終わってもほどけなくてロープ切ったんだよ。」

「うわ……酷い。あんまりだ。他は?大丈夫?」

「大丈夫くない。腰も痛いし、足のつけねも痛いし、あそこなんてまだ挟まってるし……もぅ勘弁。」

 ……ん?ちょっと待とうか。今何て言った?
「まだ挟まってるし」とおっしゃいました?

「そうなんだよ~。コウのヤツ、“今日俺は忙しいだからおとなしくさせる”なんて言いやがって……。小さいけど入ってんの。波型だから当たるし……外せないし取り出せない……ってノエルどうした?」

 ……いや。びっくりでしょう。マオ、よくそれで動けるね?僕だったら……って不味い。体が熱くなってきた。やっぱり発情期ずれたんた。

「おい、ノエル大丈夫か?……うわ、良い匂い~。」

「むーりー。やっぱりダメそう。そこら辺にカシス居る?居たら遠ざけて。」

 フェロモンの影響はなくても発情期に他のαが居るのは気分的に嫌なのだ。それに、マオですら良い匂いって言うんだから自分のパートナーの事思い出すでしょ?離れてるのに可哀想じゃない。

「アーノルドさん呼んできてあげる。ついでにカシスさん追い払って来るね~。」

 ……ゆっくりで良いよ~、ありがたいけど。
ごめんよマオ、中に入ってるのに動かしちゃって。
あー、本格的に怠くなってきた。アーノルドのせいだからね。
しおりを挟む
感想 194

あなたにおすすめの小説

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

処理中です...