Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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チビッ子達のおしゃべりから

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 最近の僕は領主の仕事の息抜きに寄宿学校に来ている。まだ小さい生徒達は僕の事を王族とか領主と理解していなくて先生の1人だと思っているみたいだ。

「ノエルせんせー、おっきい子たちがパーティーいくんだって。」

 一緒に砂山で遊んであげていると6才くらいの子がいいなぁと羨ましそうにしていた。

「パーティー行きたい?」

「うーんパーティー行きたいんじゃなくて~、ぼくもいっぱいたべたいの。」

「ぼくも~、ヒーくんがいっぱいケーキっていってた!」

 どうやら大きい生徒達がバイキングの話をしたらしい。当日もバイキング型式でスイーツをいっぱい用意するという話がもう噂になっているようだ。
 このくらいの子供達は大人が質問していない事をよく話してくれる。そこにはいろんな情報が紛れていてとても面白い。もちろん“ヒーくん”が誰なのかとかという情報は含まれていないが“ヒーくん”も“イルくん”も“サティくん”もパーティーをすごく楽しみにしている反面、何か困ってもいるらしい。
 さっそく調べて見ましょ~。

 
 次の日僕はさっそく行動に移した。ザサにゴーゴン商会のレナードさんをを呼んでもらったのだ。ひっそりこっそりと調べてみると殆どのパーティーに出席できる年齢の生徒は当日のお洒落を気にしているようだ。

 ……しまった。そうだよ、なんで僕が気づかなかったんだろう。洋服は制服(ブレザーのみ)と決まってるとはいえ未来の旦那さんかもしれない人達に会うんだからお洒落の一つもしたいよね。


「はじ…初めて、お目に…かかります。」

「はじめまして。トオイマチ商店の方ですね?急に来てもらってスミマセンでした。」

 急遽ということもあって王都のレナードさんはまだ到着していない。レナードさんを待つ間にゴーゴン商会では取り扱いのない商品を扱う人を探して来てもらったのだが一向にお辞儀をしたまま頭があがってこない。

「さっそくですが品物を見せていただいても?」

「ハイ!こちらになります!」

 なぜ爺ばかり見て僕を見ない。爺にすがるような助けを求める目をしないで!

「ノエル様は直答を許されております。大丈夫ですよ。」

 安心して下さいと宥める爺にしつこいくらい「恐れおおいです」「無礼になります」と恐縮している様子にかわいそうになって声をかけても縮こまるばかりだ。これでは話が進まくて困ってしまう。仕方ないので爺に間に入ってもらって普段使いの装飾品を品定め。手元に来た何本ものリボンタイやスカーフを見て満足気な僕を見てやっと安心した様子の商人さんを見送った。

 これはお見合いパーティーの参加年齢に達している子全員分だ。そして後から来るレナードさんからはパーティー参加予定者全員分のよそいき用の装飾品を買う。(……レナードさんのところは綿のリボンとか扱ってないからね。)
 これらなら普通の時にも出来るからお年頃の子達に良いだろう。と眺めているとちょっと昔のアーノルドと僕のことを思い出してついつい笑ってしまった。
 さぁ~これから来るレナードさんのものは気合い入れて選らばないとねぇ~。
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