Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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いったん保留

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 爺の調べが遅かった理由……それはこれが寄宿学校の中での事だったからだ。Ωの聖地とはαの不可侵地域。そしてうちの生徒達は見慣れない人に対して警戒心をあからさまにして遠巻きにする。しかも不審者の扱いで噂をすぐに広められ近づくと逃げられる。
 これらに爺の手駒の人達は影からコッソリと本当に暗殺でもするのかっていうくらいひっそりと様子を窺い、情報を集めなければならなかったらしい。
 こんなところで『警戒心を常に持ちなさい』という教えが仇に……。それにしてもうちの生徒のお喋り好きはすごいね。噂の広がりかたが半端ないな。

「で?これが理由?……。僕のせいなんだ……。」

 しゅん…。としょぼくれる。だって、皆が嫌がっていた理由が『ノエル様が義兄になるなんて無理』なんだって。

「ノエル様、よく考えてみてください。」

「思い当たる節がありません!……待って……え?うーん。」

 即答するもちょっと待てよと考えよう。

「わかりませんか?」

「父様達に溺愛されてること?」

「……それじゃありません。」

 じゃあなんだろうね?よく考えてみよう。父様達のようにほいほい出歩いてもいないし、特に贅沢もしてない……あ、それ?せっかく王族になっても贅沢出来ないって?

「……微妙に違いますね。よろしいですか?つまりは、せっかく運命の番で溺愛されてもそれに甘えられる状況じゃ無いからですよ。」

「良いじゃない。甘えて可愛がってもらえば。」

「……義兄が番と離れて暮らしていてもしっかりと領主の務めを果たしているのに義弟がのうのうとしている訳にもいかないでしょう。」

 そういうもの?大丈夫だよ。普通のΩの子のようにしっかり甘えて良いのに。あ、もしかしてトータの事も関係ある?いや、僕に理由があるんだから違うか。

「そうですね。トータ様のことは置いておくとしても皇太子という地位にも原因はあるかと。現王のように秘められた存在となるかにもよると思いますが。」

 そうだね。責任重大な立場で公にも認められる覚悟をもてるか、隠されて庇われて表舞台かに一切現れないかの極端になるものね。父様達の番の事は貴族でも存在を知らない人もいるからねぇ。簡単にはいかないか。……じゃあ、一端ほっとこう!

 そうと決まればやることは多い。プランを練らねばならん!ただ立食があるだけじゃ知らない人同士の話は進まないよね?それを解決するのは共通の話題。でも何十人もの共通話題なんて無いので、それを提供しよう!
 
 ・新しい寄宿舎の設営と利用方法
新寄宿舎は番と一緒に住む&過ごせる専用施設。まだ学生のうちの生徒と番になり、相手のαが一緒に住む事を希望した場合には一緒に住めます。もしくは生徒の発情期に番のαと過ごせる施設です。

 今までの寄宿舎から独立した施設へとかえる予定なんだけど、これのジオラマ展示、発表なんて……話題として薄いか。
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