Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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マオの見学

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 マオは滞在中度々僕の部屋にお泊まりをする。子供達が寝るまで一緒に遊び、子供部屋に送ってくれた後来るのだがコウはいいのだろうかと気になって聞くと今コウはデジレ様の使いで王都まで行っていていないらしい。ちなみにお見合いパーティーの話は伝わっていなかったので改めて詳しく伝えたところデジレ様ばかりか提督まで頭を抱えたのには流石に何かしてしまったのかと気になった。

「ノエル様、このお話が広まれば直ぐにでもお部屋がお手紙や贈り物でいっぱいになるでしょう。パーティーに招待してもらうためにご機嫌伺いの接触者が列をなすでしょうな。」

 眠る前の温かいお茶を持ってきてくれた爺がにこやかに嫌な事をさらりと言う。


 翌朝、僕はマオを寄宿学校に案内していた。コウも一緒にと誘ったのだが、マオが『コウはαだ!もし運命がいたらどうするの?!僕以外に手を出すなんて絶対許さない!!』と激しく抵抗し、それを見ていたコウもマオが嫉妬剥き出しで可愛いくて可哀想だからと来るのをやめたのだ。
 ……可愛くて可哀想ってなに?


「ねぇねぇノエル、ここ本当にαいないの?」

「いや居るよ?もし本気で忍び込もうとするαがいたとしたらαじゃないと太刀打ちできないじゃない。」

 そうなんだよね。これが最初の頃は問題だった。結局は爺が言った一言で解決したんだけど。爺はあっさりと『運命の番持ちを雇えば何も問題ないですよ』と言ったのだ。そして“ちょっとした知り合いの知り合い”という40代の人を連れて来たのだ。まさか『運命の番をもった働き盛りで、ちょうど職を探していたα』が簡単に見つかるとも思えなかったけど、これに僕は飛び付いた。そして今は用務員という職で雇っているのだけど、実質は理事だ。だってこの寄宿学校を任せたトータは王都の誰かさんに連れて行かれちゃったからね。
 でも爺の抜擢?は的確ですごい!だって仕事は早くて完璧なんだもん。

「この先からがα立ち入り禁止区域?」

 高い柵の先に見えるゲートをさしてマオはウキウキしているらしい。一応走り出したいのを我慢しているようだ。
 いや、例外がある。このゲートの先は番持ちのαなら立ち入り可能だ。今回マオを連れて来たのには訳がある。今度のお見合いパーティーではこの立ち入り限定区域を一部解放する予定なのだ。そこで、何も知らない人がこの場所で何に興味が行き、どう行動するのかを知りたくて“予測不能の動きをするマオ”を連れて来たのだ。……マオの動き、興味関心に対応しておけば大概の人に対応可能だと思って。

 ……だけどね……だいぶ疲れた。マオ元気だね。一休み中のお茶をしていても通りかかった生徒に話しかけたり、中庭の池の魚をきにしたり。これから行く寄宿舎の事も早く見たいらしい。目をキラッキラさせて楽しそうだ。
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