Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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 「あの国の事?そうだね……まず、ケチ!あそこは船が港に着くと払う停泊料の他に陸に上がった船員からも税金をとるんだよ。まぁそういう国は他にも有るよ?でもね、大抵は港から繁華街に通る門で税金を取る。でもさ、あそこは桟橋に降りたらもう徴集官が居て取るんだよ。おかげで最低限の人数で積み荷の上げ下ろししないといけないって船乗りの間じゃ超不人気。」

 ほぅ……それはいけませんねぇ。活気がない港は意味が半減だよ。積み荷の上げ下ろしは船の常識。それを制限させるように仕向けるって…そこの領主バカなの?
 アーノルドのところは停泊料だけでやってる。積み荷のなかでも絶対的に必要な乗組員の飲食物は定価でセット販売してる。コレ結構人気で良いよ。水とその季節に取れる安価の野菜や保存食品を何十人分でいくらと決めてご案内してます!勿論、税金は必要なのでお酒、煙草、娼婦館、賭博場には多目に掛けさせていただいてますね。

「それから、あの国は地味!人間も直ぐに怒るガミガミじじいばっかり。」

 ん?それは……。

「マオ、あの国に降りたのは一番最近でいつ?」

「んと……今年の初め。半年くらい前だよ。」

 それじゃ大丈夫か。直ぐに怒るって何で怒られたの?マオの場合半端ない悪戯するからねぇ。

「デジレ様のお供で降りて、バザールに行って……曲芸の猿に踊り教えてやった。串肉屋で味が今一だったから、次の客に教えてやった。」

 それくらいでガミガミ怒る?まぁ、商売の邪魔ではあるけど。

「猿に踊り教えて怒られたの?」

「そう。猿が宙返りや言われた通りの行動をする芸なんてありきたりだから、その前の港で見たセクシーダンス教えてみた。客には大ウケだったのに。」

 ……セクシーダンス。笑えるけどものによっては子供に見せられないかも。でも串肉屋の件といいセクシーダンスの件といいそこまで怒られる事じゃないよね。

 「あとは……うちの艦の悪口言った奴らのしたくらいだな~。」

 それでしょうね。精神衛生上詳しくは聞かないでおくよ。

「マオ、地味って?」

 怪しい物に飽きたのかトータの質問があった。そうだね。地味って、“活気がない”っていう意味なのか別の意味なのか知りたい。

「うん。“活気がない”もそうなんだけど、土産物屋でも売ってるのが地味。“砂漠の砂の瓶詰め”や“砂漠で生活する為の手引き書”“サボテンのトゲの見本”なんている?」

 ……ああ、ね。……欲しい人は限定されるかな。僕はいらない。手引き書はちょっと興味あるけど。
 つまりマオが興味を引きそうな物はなかったということだね。

 マオが持ってきた怪しいお土産物の小山を見て、(こういう土産物が無いって普通だと思うけど。アーノルドのところだって娼婦館で売ってるだけじゃない?)と思ったけど、心のなかにとどめておく。

「それにやたらと人をスパイに仕立て上げたがる。」

 ん?ぶつぶつ呟いた言葉が一番大事なところだよね。ちょっとその辺を詳しく!
……トータ、飽きたのならこの“いろんな体位の絵が書かれた布”でも眺めてなさい。
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