Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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ご機嫌をとらないと

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 視察から帰ってきた僕を待ち構えていたのはご機嫌斜めな我が子と疲れ果てたトータでした。トータに良いとこを見せようとしたローランドはお仕事のために連れて行かれてしまったらしい。

「……おかあしゃまのいじわる。」

 帰ってきてサロンでお茶でも飲もうと部屋に入ると窓辺の絨毯にちょこんと座って日向ぼっこしながらもむくれている我が子が可愛い!怒ってほっぺたがぷくっとしてるのに、お昼寝しちゃったんだろうね、頭の後ろの毛がポワポワになってる。オムツでがに股座りになってるのも可愛い!

「ごめんねシモン。もう今日のお仕事終わったから夕食まではいっぱいシモンと遊ぶよ?何する?おやつは食べた?」

 側によって向かい側にしゃがむとシモンは一瞬目を輝かせて顔をあげたけどハッとして怒った顔を作った。まだ2才にもならないのに大人のような事をする子だ……末恐ろしい。でも手を伸ばすと抱っこしろと手を伸ばしてくるのはまだまだ赤ちゃんだ。シモンは体も大きいので本人の協力無しでは抱っこして移動が大変なのは知っているらしく常に僕の首に捕まって足を腰に巻き付ける等の協力をしてくれる。これが本当にありがたい。

 テーブルまでいって今度はお膝の上で抱っこ。今日のおやつは何かなぁ~?なんて言いながら待っていると、料理長がニコニコしながら大きめのパンケーキを持ってきてくれた。
 シモンは下手ながらも自分で食べられるけど今日は僕があまやかしモードなので“お口あーん”で食べさせる。赤ちゃん仕様のハチミツ無し、甘さ控えめ、フルーツも消化の良い物をとシモン向けのパンケーキだ。

 “あーん”で食べるシモンはもうご機嫌が直ってる。飲み込むとお口を大きく開けて催促、モグモグ、ごっくん、また大きいお口あーん。しばらくそうして満足したのか僕が差し出したフォークを小さな手で僕に押し返してくる。僕も食べてっていうやつだ。
 僕も大きな口を開けてモグモグ。おいしーねーって2人で笑いあう。
 そうしてるとシモンがチラリと僕のお腹を見て撫で撫で。

「おいしー?」

 って聞いてる。お腹の赤ちゃんも僕と一緒に食べてると思ってるのかな?……可愛いから良しとしよう。

「さぁ、ご馳走さまでした。かな?」

 僕のご馳走さまにあわせて手を合わせて頭を下げる。僕の真似をしているうちに覚えたらしい。

「あしょんでくだたい!」

 膝から降りると一目散に外につながるドアへと向かい、そこから振り返って側使えの人共々僕達に大きな声で遊びの催促だ。まだ1人では外に出られないのでドアのところにいる側使えに早く早くとせがんでいた。
 僕達が庭に出るともうやりたい遊びを考えていたのか、かくれんぼをするという。

 シモンが言うには、追いかけっこやボール遊びは僕が出来ないから僕に合わせてかくれんぼにしてくれているらしい。でもね、この“かくれんぼ”は幼児とするには結構難しい。だって、簡単な場所に隠れると怒るし、難しい場所にすると見つけられなくて泣く。シモンが隠れる側にしてもお尻が見えてるのに一回知らないふりで通りすぎないといけないけどかなり無理のある隠れ方もしている。この間はウサギの真ん中にしゃがみこんで隠れたつもりだった。思わず笑っちゃったら怒るんだもん。
 さて、今日は上手く隠れてほしいものだ。
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