Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

文字の大きさ
上 下
253 / 685

寄宿舎

しおりを挟む
 結局あのお手紙はそのままお使いの人に渡した。だってトータが言うには「……今更普通のΩの文書にしたって意味ないよ」だって。
 マァそうか…とそのままに渡した。そしてその後、トータと寄宿舎を見て回っているんだけど、もう1人後ろにメモ片手についてきているのは、この寄宿学校に入れていた貴族の子供の内の1人だ。年齢的に卒業なので進路希望を聞いたら僕の秘書になりたいと言ってこれまでの勉強内容を見せてくれた。
 それらを見て“ああ、イケルかも?”と思ったので今回、僕達について回り僕のの言った内容を書くという事を任せてみた。なにせこの中にはαの爺を入れないので色々と考えないといけない。……ホントに爺がなんでも完璧にしていてくれたから居ないとなると心配事がふえる。

 昇降機も既に寄宿舎の真ん中に取り付けたのでそれの使い勝手もどうなのか聞いてみたいなぁと思いながらΩしか入れない寄宿舎の建物へ入る。ドーナツ状だった建物は今は真ん中に非常階段、昇降機、談笑スペースを入れて真ん中は塞いで円形の建物に変わっている。
 1階から3階は普通の寄宿棟だけど、発情期を迎えた子は安全の為に4階の隔離室に入る。分厚い扉と2重の窓、差し入れ用の小窓をつけた部屋で5日間過ごしてもらう。個室事のトイレにお風呂を用意するのは大変だったけど、絶対に必要だから頑張ったよ。それから、4階の人達ようにΩの年寄りの人を世話人として雇っている。

「1階から3階の談笑スペースはもっと植物を入れて席を多くしよう。反対に4階は世話人が動きやすいようにしてワゴンを何台か置こう。掃除用と食事用でいいかな……。4階は機能重視で、その他の階は過ごしやすいようにね。」

 ランプの位置やカーテンの汚れ具合もチェックして指示を出す。共同スペースの食堂やお風呂も見ていったけど、特に大丈夫みたいだ。……Ωの特徴なのかな…あまり壊れてるとか傷みが激しい部分が無い。汚れも少ないし、とても綺麗なんだ。それを言うと秘書見習いをしている子が教えてくれた。

「多分それはここに来る前、僕達がいた環境によるものだと思います。殆どの子が掃除係だったので汚れは見つけ次第掃除する癖がついてしまってるんです。だから特に清掃の時間とかなくても汚れませんよ。」

 ……なるほどね。貴族の両親がいても子供と認められず掃除や洗濯などできる仕事をしてなんとか食べてきた子も多かったな。癖になってしまったと簡単に言ったけどその過去を思いやるとそう簡単には言えないものなのにとなんとも言えない気持ちになった。
 寄宿棟の次は外の運動場。実はこの運動場が大事な部分なんだ。αの人が自分の番を見つけるためにここに見学に来るとこの運動場を見てもらっている。でもね……総じてΩはあまり運動が得意では無く、運動場にあまり来ない。盲点だったなぁ~。
しおりを挟む
感想 194

あなたにおすすめの小説

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

処理中です...