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悪夢2
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夢……悪夢は続く。
僕はまた少し大きくなっていて城を出た時くらいになっていた。このままだと僕は一番避けたかった状況になると考えてしまった。
本当は隠し通路から聞いていた言葉が僕の目の前で言われていた。
「ノエル様はもうすぐ12才になられます……。」
もう一度聞くとは思わなかったあの言葉だ。あの時、父様は“まだ誕生日では無い。まだ出て行かせる事などさせない”そう言ってくれたがこの夢の中の父様は違った。悲しそうな…哀れな者を見る目で僕を見ると口を開いた。
「ノエル…王子よ。そなたはわかっているのか?自分の身に降りかかるこれからの出来事がわかるか?……いいや、わからぬ方が良いだろう……哀れな子よ、せめて普通の家の子であれば良かったのに。」
夢の父様は大臣を止めてくれなかった。弱々しく嘆きながらも僕を追い出す大臣に従ってしまった。
夢の中の僕は何もわかってないようで哀しげな父様につられて涙を浮かべていた。あの僕は理解出来ていない……この先、あの僕を待つ未来というのは容易に想像できてしまった。
そして怖いこと、嫌なことばかりおきるから悪夢という。当然のように僕は次の場面でボロボロの服をまとい街に立っていた。髪はボサボサ、顔も手も汚れて靴もボロボロ。物乞いをしながら生きてきたようだ。この様子だとアーノルドとは会っていないのだろう……発育が悪くΩの発情期も訪れてないから体は純潔を保てているだろうか?それとも食べ物を得るために捨てているだろうか……考えたくは無い。でもこの目の前の姿は僕が常に不安に思っていた姿だ。こうなるのが嫌で僕は足掻いた……足掻いた結果がいささかやり過ぎたけど間違ってはいなかったと思う。
こう思ったのが良かったのか、意識が覚醒し始めた。体が鉛のように重い……動かない。いわゆる金縛りの状態だけど、僕は知っている。金縛りとは脳が起きているのにまだ体が寝ている状態で起きる現象だ。この状態でお化けとかを想像すると寝ている状態に近いから脳が勘違いして夢を見させてお化けを見たと思わせる。これ、知ってると金縛りになっても意外と冷静に対処できてすぐに金縛りを解く事が出来るんだ。解く方法は僕の場合手の指先を動かすことに集中するだけ。指先が動けば後はもう簡単に動ける。
完全に目を醒ませた僕は泣いていた。
……辛いよ~。こんな状態だからあんな悪い夢見たんだろうけど、現実じゃないけど、でももしかしたらあれが本来の僕だったのかもしれないとか…変な事ばかり考えちゃう。
発情期特有の体にこもる熱と疼き、番のアーノルドが居ない事による不安が僕のメンタルを直撃してるよ~。あ~また泣けてきた。
グスグス…ズピズピ泣いてたらどこから知ったのか爺の心配する声がした。
「ノエル様、泣いてらっしゃるのですか?どうしたんですか?心配事でもありましたか?」
「……じい~、アーノルドいない~。いないの~」
廊下のドアまで様子を見に来ていたらしい爺の声を聞いたとたん堰が切れたように涙が止まらなくなった。
僕はまた少し大きくなっていて城を出た時くらいになっていた。このままだと僕は一番避けたかった状況になると考えてしまった。
本当は隠し通路から聞いていた言葉が僕の目の前で言われていた。
「ノエル様はもうすぐ12才になられます……。」
もう一度聞くとは思わなかったあの言葉だ。あの時、父様は“まだ誕生日では無い。まだ出て行かせる事などさせない”そう言ってくれたがこの夢の中の父様は違った。悲しそうな…哀れな者を見る目で僕を見ると口を開いた。
「ノエル…王子よ。そなたはわかっているのか?自分の身に降りかかるこれからの出来事がわかるか?……いいや、わからぬ方が良いだろう……哀れな子よ、せめて普通の家の子であれば良かったのに。」
夢の父様は大臣を止めてくれなかった。弱々しく嘆きながらも僕を追い出す大臣に従ってしまった。
夢の中の僕は何もわかってないようで哀しげな父様につられて涙を浮かべていた。あの僕は理解出来ていない……この先、あの僕を待つ未来というのは容易に想像できてしまった。
そして怖いこと、嫌なことばかりおきるから悪夢という。当然のように僕は次の場面でボロボロの服をまとい街に立っていた。髪はボサボサ、顔も手も汚れて靴もボロボロ。物乞いをしながら生きてきたようだ。この様子だとアーノルドとは会っていないのだろう……発育が悪くΩの発情期も訪れてないから体は純潔を保てているだろうか?それとも食べ物を得るために捨てているだろうか……考えたくは無い。でもこの目の前の姿は僕が常に不安に思っていた姿だ。こうなるのが嫌で僕は足掻いた……足掻いた結果がいささかやり過ぎたけど間違ってはいなかったと思う。
こう思ったのが良かったのか、意識が覚醒し始めた。体が鉛のように重い……動かない。いわゆる金縛りの状態だけど、僕は知っている。金縛りとは脳が起きているのにまだ体が寝ている状態で起きる現象だ。この状態でお化けとかを想像すると寝ている状態に近いから脳が勘違いして夢を見させてお化けを見たと思わせる。これ、知ってると金縛りになっても意外と冷静に対処できてすぐに金縛りを解く事が出来るんだ。解く方法は僕の場合手の指先を動かすことに集中するだけ。指先が動けば後はもう簡単に動ける。
完全に目を醒ませた僕は泣いていた。
……辛いよ~。こんな状態だからあんな悪い夢見たんだろうけど、現実じゃないけど、でももしかしたらあれが本来の僕だったのかもしれないとか…変な事ばかり考えちゃう。
発情期特有の体にこもる熱と疼き、番のアーノルドが居ない事による不安が僕のメンタルを直撃してるよ~。あ~また泣けてきた。
グスグス…ズピズピ泣いてたらどこから知ったのか爺の心配する声がした。
「ノエル様、泣いてらっしゃるのですか?どうしたんですか?心配事でもありましたか?」
「……じい~、アーノルドいない~。いないの~」
廊下のドアまで様子を見に来ていたらしい爺の声を聞いたとたん堰が切れたように涙が止まらなくなった。
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