Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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ある意味チャンス

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 キラキラ目を輝かせる母様とその仲良しの方々が期待いっぱいの目で僕を見ている。王妃の母、公爵夫人、侯爵夫人2人、男爵夫人2人……昔からのお仲間の方々だね…逃げられないよ~。

 まぁ…ね?この方達だけなら言っても良いんだけど他の周りの視線や耳が…。ああ、目が痛い。

「ノエル、お母様のお願い(ハートマーク)」

 ね? と小首を傾げて可愛らしいお願いを始めた。母様、それ僕が父様によくやるやつだよね?母様がその気なら……ヨシ!

「じゃあ、お母様も僕のお願い聴いて?ね?お願い(ハートマーク)」

 必殺のハートマーク返し!座っている母様のドレスのスカート部分に上半身を預けるように床に座り母様を見上げて同じように小首を傾げてのお願いだ。
 僕のこういう仕草に弱い母様には効果は覿面で、母様は元より何故か周りのお仲間からも「勿論ですわ!」「どの様なことを致せば宜しいの?」などの声があがった。
 言質はとった!

「あのね……王都でドレスの発表会をしようと思うのね?だから母様には」

「是非とも強力しますとも!!」

「なんて良いアイデア!!」

「ドレス!!素敵ですわ!」

 次から次へと声があがった。
一様に皆様興奮気味だけど、大丈夫かなぁ。発表会をしようと思うと言っただけで いつ どこで 誰が どの様に なんて言ってないんだよ?

 前々からスサエナの針子さん達の腕を披露出来ないかと考えて思いついた事なんだけど、この発表会に “王妃ご来席” となればハクがつくからね。ご来席の発表会となればその優勝者や賞をとった者は就職もしやすくなるし上手くいけばお抱えの針子さんにもなれる。ついでに母様達は新しいデザインのドレスがないか探せるから良いと思うんだよ。
 ……なのに…爺…遠くからも届くその“あぁ、やっちゃった”っていう目はなんで?!

 そして僕は思い知った。女性がファッションにかける情熱っていうの?その思いを。…怖かった。

「スチュワート様!是非、私も!!」

 という母様達のお仲間以外の女性から普段では見ない必至な様子で詰め寄られたかと思ったら、「私も!!」「私、お役にたって見せますわ!」「なんでも致しますから!」等々……。母様はあらあらと笑っているけど目が本気モードになってる!
 これか!これなのか?爺の“やっちゃった”っていう目はコレなの?!ねぇ爺、助けて!!

 結局僕は詳しい内容をその場で決めさせられた。母様の「詳しく話しなさい」という圧力が凄くても負けました。

「……あくまでも!あくまでも予定ですよ?予定なんですからね?良いですね!?」

 そう注意したけど“予定は決定”なんだろうな。
開催時期は先ず、書類選考から始めるのでデザイン画を集める所から始めなければならないと言い、締め切りを半年後とした。そのデザイン画の中から母様達が見たいドレスを選び出しパトロンになってもらいドレスを制作。その後ファッションショーで人気投票を行い、上位5名に賞を与えるという事にした。
 ……繰り返しますけど、あくまでも予定だからね?
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