Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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後悔先に…知っていたかった。

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 目の前の外に続いてるドアからはざわめきと音楽がまだ聞こえてきている。僕はやっとこの大役を終えた事にホッとしていた。
 アーノルドの挨拶の後僕がシモンを領内の皆に紹介。僕からの挨拶、3人で手を振って終わる。…筈だったんだ……なのに、突然の乱入。いや、襲撃とか物騒な話でもないし、浮かれた領民が乱入したという事でもない。むしろ普通だったらちょっとしたサプライズの様なものなんだよね?おじいちゃんの登場ってさ?

 でも、突然現れたおじいちゃんは……僕の父様の方で……。本当に……何というか……。どうして??ってなっちゃったんだ。母様は知っていたのか知らなかったのか全く詠めない表情で「アラアラ…あの人ったら、まったくもぅ仕方無い人ねぇ。」だって。
 しかも……父様の登場はものすっごく派手!!
どうやって登場したと思う?有り得ない方法でやってきたんだよ。……僕が悪い。


・・・僕の挨拶終了直後・・・
 僕のニッコリスマイルに可愛い~と声がする。ウフフ~と気をよくして終わろうとしたとき、信じられないものが目の中に飛び込んできた。

「グリフウッド領の領民達よ!我が国民達よ!この子を祝福し喜ぶと良い!」

 大型の気球が父様を載せて表れたんだ!しかもちゃんと火の調節等も出来る装置を付けて!

 ざわめく中、颯爽と降り立った父様は唖然とする侍従達を残して僕達の所に来ると何故かアーノルドが言う筈だったセリフを奪った。

「さぁ!この良き日、良き時を祝い皆で祝おうではないか!領民達よ、楽しめ!!」

 流石のカリスマ性を発揮して一瞬にして場の空気をお祝い一色モードに変えた。何故王様が現れたのか…あの乗り物は何なのか…王妃も此処にいるのに王様もという事は王都は誰が預かっているのか等の事は忘れさせられた。…僕達以外はね。


 今、父様は至極ご機嫌で僕達の前にいる。その腕に初孫を抱っこしてジジバカぶりを大きく発揮している。

「うーん、この利発な目は誰に似たのかな?じーじか?ママか?この愛らしい頬と口はママだな~。んん~そうか、そうか。シモンは大きくなったらママを守るのか。良い子だ良い子だ。」

 ……父様、止めて。そうでなくてもアーノルドが教育は最初が肝心だとか言って「ノエル絶対論」とかいう変な理論を教えようとしているんだから。そこに余計に変な考えを植え付けるような言葉は言わないで。
 ああ……なんで気球なんて教えちゃったんだろう。ちょっと考えれば新しもの好きの父様がそのままにしておくとか無いってわかりそうなものなのに。いや、せめて向かってる最中でも早馬とかで……ムリか?気球の方が速いか。

 ええ……はい。僕が悪いです。

「ノエル、やっぱりシモンは王族ということにした方が良いのでは無いか?」

「……父様,シモンを王族とした時のメリットはなんですか?」

「うーん、私との面会が楽になるぞ?」

「僕が付き添えば同じですよ。」

「そうか、そうか。ノエルは父様にそんなに会いたかったか!この気球があればほんのちょっとの時間で会えるぞぉ~。ああ、この気球はノエルの発明ということはもう発表してあるから安心しなさい。ハッハッハッハッハッハ!!」

 ……!!んん?!  なんかおかしい発言があったよね?っていうか全部おかしいよね?
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