Ωの僕がお偉いさん

閑話・ある船乗りの話

　俺の乗ってる艦は世界一といって間違いない！
デカさも、迫力も、豪華さだってある。艦長は泣く子も黙ると有名な鬼神様だ！提督とか将軍って呼ぶ奴もいる。名前なんざどうでも良いらしいが本当のところ、名前を呼ばすのはただ一人と決めていたらしい。ゴツい奴ほどロマンチストなのは何処でも同じだな。

　最近この艦は非常に深刻な問題を抱えている。人手不足だ。元々この艦は一騎当千の奴や何かのエキスパートを選んで乗せていた為ギリギリの人数ではあったんだがな……なんというか…男の事情ってやつだ。こればっかりはどうしようもない！

　ところが、それが一気に解消するという話がまわってきた。俺らは喜んだね!そうだろ？もうあんな場面やこんな場面に遭遇しても雑用係が足りないばかりに悶々と我慢しなくて良くなったんだから。
……いや、俺は別に誰とは言ってないぞ。それにわざと見たわけじゃない。見張り台の下でおっぱじめる奴が悪いんだ。相手も跳ね退ければいいのに｢ここでは駄目だ」なんて言いながらもすぐに足を開いちまう。嫌だったら逃げろよ！お前もαじゃないか！

　いや、話が逸れたな。新しく来るのは10人くらいだと聞いている。なんでか女も居るらしいが、女は相手にしない。なんでかって？女の場合その後が大変だからだよ。まぁ女はその他の奴が初仕事終えた後の看病係りだろう。ちょうど良いさ。
　なんだありゃ!?どう見たって貴族様じゃねぇか？
大方、反乱起こそうとして失敗したってとこか。あーあ、可哀想になぁ…澄ました奴らに海の荒くれ者を何人受け止められるかな～。お？傭兵か？5人居るが海の上じゃ役に立ちそうにねぇな。あんなにへっぴり腰じゃ剣を奮えないだろ。あいつらも訓練してダメなら雑用係だ。
　さぁ～楽しみだ。