Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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ケンカなの?

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 ハァ…。ため息が出る。
僕のため息でコウと名乗った人が「申し訳無い」と謝ってくる。

「いえ、残してるのは本当ですから。」

 あのマオという子と話す為もう一度食堂に入るとマオが指を突きつけながら迫ってきた。

「おいお前!なんでこんなに残してるんだよ!勿体ないだろ!残すのなら最初から食べなきゃ良いんだよっ!お前、慈善事業とかやってるって言うけど、偽善だったんだな!ウソツキ!」

 ……なんだろう、どこで口を挟めば良い?
けっこう大きな声だからキンキンするしちょっとびっくりすぎて?マークだらけになりそうだ。
 ……とりあえず、侍女さんお茶ください。お茶は
イル産のグレイ系で。サザウ産のミルクで濃く煮出してください。砂糖は2つお願いします。

「はぁ?なにその余裕。自分は偉いから何しても良いと思ってんのか?」

 コウは我関せずとテーブルについてご飯を食べ始めた。……ああいうのが余裕というのでは?
 話、しても良い?と最初に断りを入れる。

「あのねマオ君、キミはいつもそうやって大きな声で話すの?」

「はぁ?何言ってんの?」

「僕は大きな声とか騒がしいの苦手なんだ。何もされていないのけど恐怖心がでるの。」

 キチンと向き合って目を見て言うと、「ゴメン」と謝ってくれる。うーん、やっぱりただ子供なだけみたいだ。

「うん。静かに話してもらえれば大丈夫。昨日の事で僕はキミに苦手意識を持ってしまったから、ご飯途中で逃げたの。コレは僕が悪いよね。」

 マオは本当に意外だったらしく“エッ?!”と僕を見てきた。やっぱり悪気は無いらしい。

「ご飯途中ならお腹空いちゃうじゃん!」

 ぁう。また大声だ。怯むと「あ、ごめん」と謝ってくれる。……地声が大きいのか。そうだよね戦艦で生活していたらそうなるか。

 お腹空いちゃうという言葉に僕はどう答えるか迷った。素直に「お腹空いちゃうけどゆっくり食べられないのはもっと嫌だったから。」と答えれば彼は傷つくかもしれない。でも、「お腹空かないから大丈夫」なんて言うのも嘘バレバレだよね。

「えっと…もしかして、煩いの我慢するくらいならお腹空いてた方がマシって思った?」

 本当にダメなんだな、ゴメン。と謝るので、頭が悪い訳ではないと知る。僕、今は表情に出して無いはずなんだ。

「マオは知らなかったんだもの。でも…そうだね、僕もちゃんと食べるべきだったんだよ。シモンのためにもね。」

 「……シモン?」と呟くなり耳まで赤くなったマオはすごい勢いで支離滅裂なほど謝りだした。抑えていてくれた声も大きくなってしまい困ってコウを見るとコウはスープを飲んでいたらしく吹き出さないように口を押さえて苦しんでいた。

「…………あーー、おかしい。俺死にそう。マオは昨日踏み込んだシーン思い出したんだよな?」

 やっとスープを飲み込んだコウはさらりとマオがこんなになった理由を教えてくれた。
……やだぁ、恥ずかしいから早く忘れてよ。
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