Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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僕はトロい?

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 「お気遣いありがとうございます。移動で疲れていたせいもあって昨日はそのまま失礼しましたがもう大丈夫です。」

 僕が昨日挨拶できなかった詫びをして、デジレ様にシモンを会わせたいと言おうとしたとこで、侍女さんがバスケットを持って来た。何だろう?

「ああ、ありがとう。
ん?これかな?これはデジレの朝食だよ。久し振りの陸なのでね。加減を忘れてしまったのだよ。」

 ああ、朝食ですか。
…ん?陸で加減を忘れた?何が? 僕が意味わからず?マークを飛ばしていると提督が大声で笑い出した。

「気になされるな!ノエル殿は実に良い子だ!ハッハッハッハッハ!!」

 それでは後ほど!と去っていく姿を見て…疲れた。エネルギーの塊のようなお人だ。それから朝ご飯を黙々と食べながら提督の言葉を思い出し考える。
そして意味がわかった僕は余計に疲れた。
 ……人ん家で何してるんだ!確かに全くの人ん家じゃないけど……デジレ様、可哀想。朝食に来れないくらいされちゃったんだね。

 あれ?じゃあ、他の人も離れから此処に食べに来るの?急がないとまたあの子に会っちゃう!
 嫌いじゃないけど苦手な部類の子なんだよ…。

 そして急いで食べてるのに、なかなか減っていかないと焦りが出てきた時賑やかな声がし始めた。

「今日は大人しくしてろよ?」
「俺は大人しく1人で探検してただけなの!」
「探検は大人しくしてる内に入らないんだよ。」
「なんで俺が怒られなきゃならないんだよ!」

 ……ダメだ。反省してない。
ハァ……食べきれてないけど、部屋に帰ろう。
僕は立ち上がって侍女さんに残してごめんなさいと謝って部屋を出ようとしたけど、会ってしまった。

「おはようございます。昨日はコレが大変失礼しました。」
 
 そう言ってくれたのは昨日この子の首輪を引いていた逞しい男の人だった。資料では“提督の右腕”それと現段階では“デジレ様の護衛”だとあったはずだ。

「おはようございます。驚いてしまったので騒ぎが大きくなりましたが……此方も侍女が押さえつけてしまいました。大丈夫でしたか?」

 そつなく挨拶だけして去ろうと思ったのにマオという子は僕を睨みつけた。

「お前のせいで俺は大変な目にあったんだよ!」

 そう言うと大きな「フンッ!」を残して食堂に入って行ってしまった。

「重ね重ね申し訳無い。まだ子供と艦で皆が甘やかして育ててしまったので…。」

「そのようですね。……僕が少し話してもよろしいでしょうか?」

 ……苦手な子ではあるけど嫌いじゃない。はっきりと裏表なく自分の言いたいことを言うだけの子だ。ちょっと興味が湧いてきたよ。
 
「いや、多分かなり失礼な事を…」

 驚きを隠さず、でも断ろうとしていた時、部屋の中からまた大声が上がった。

「あっーー!あいつこんなに残してる!」

 ……僕の食べ残しについて文句があるらしい。
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