Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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海・港・軍艦

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 なんだろう…海って魔物だね!外に海が見えてきただけでつい、はしゃいでしまうのだよ。最初は大人しく横目で見ながら居たんだけれど今は馬車の窓にへばりついて見てます。最初はね「ほらシモン~海ですよ~」とか言って一緒に見せていたけど、興味が無いシモンが眠ってしまったのをいい事にシモンを母様に預けてしまった。そして爺が僕を支えている。
 港には大きな船というよりも物々しい感じから軍艦?が3艦だけ停泊中だ。たぶんこれがアーノルドの言っていたフールフーガの軍艦だろう。艦のマストに旗が閃いている。その旗を見ていると旗の1つだけが新しい事に気づいた。

 メインマストに国旗、旗艦オブディシアンを表す旗、そして新しい旗は……デジレ様の個人の紋章……。
神話に出てくる大神の持つ剣と槍に羽を広げた知恵の象徴であるオウルをモチーフとしているようだ。

「あらあら、お兄様ったらあれほどメインマストには国と自分以外の旗は並ばせないと言っていたのに…フフフ。本当に酔狂な方ね~。」

 母様は海軍提督を“お兄様”と呼ぶのは小さい頃遊んでもらった名残らしいけど、公式にはされてないけどたぶん結構近い血の繋がりがありそうだ。

「すごく大きい……。」

 近くを通り抜けてこれまた大きな館に入った。僕の領主館とは全く違う質実剛健な感じの建物だった。僕のところは年々素朴さが増している不思議な館だからね。廃墟だった頃の方がボロいけど領主館っぽかったなんて本当に不思議。

「ノエル!」

 馬車が止まり、最初に爺が降りて僕が降りるとそこにはアーノルドが待っていた。母様からシモンを受け取って爺が母様に手を差し出すと優雅に降りてきた。うーんこの優雅さ……僕に無いなぁ~。

「ノエル、道中はどうだった?報告は受けたが怖く無かったか?」

 母様への挨拶もそこそこに僕を甘やかしにかかるアーノルド。……あの…あのですね、ここはグリフウッドの館なので……ほらぁ、目見開いて驚いてる人いるじゃない!

「ノエル、港は見たかい?」

 ピクリと反応してしまうのは僕があの軍艦にすごく惹かれていたから。僕も一応男の子だからね!格好良い物好きだよ~。

「うん。見たよ~!すっごく大きくて、黒くて立派なの!黒く光っていてね、」

「ちょっ…ちょっと、ノエル…ノエル、言い方!」

 言い方?なんかおかしい?

「……手つきも妖しかったよね?」

 アーノルドの後ろから双子らしい2人組が現れた。

 手つきも?……言い方と手つき?
いやいや、シモン抱えてるんだから手つきは無いよね?左腕に頭載せて右手でシモンのお尻支えてるんだもの。

「へぇ~、本当に冷静だね。知らないα2人に囲まれて変な事突然言われてるのに平気なんだ。」

 うん、まぁアーノルドいるし、母様と爺もすぐ側にいるからね。僕これでもαの中で生活してるから慣れているよ~。

「でも言い方は本当にダメだよ。」

「大きくて、黒くて、……これに固いなんてΩが言うと別の物想像する人もいるって事。」
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