Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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悪友?いえ、友人です

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 アーノルドの館に4人のαが到着した。2人は幼なじみで2人は社交界に出たあたりで知り合った。幼なじみの2人はいつもは港の管理者として港にいる。その港の予定を知りたいのだ。

「アーノルド様、いつもいつも突然のお呼びだしデスねー。っと……そちらの子は?αらしいですけど?」

「ああ…初対面だな。ローランド殿下、私の幼なじみのイサクとイザムです。御覧のように双子のαです。貴族では無いのでご容赦を。」

 サラッと紹介をしたが驚いたのは双子の方で、直立不動で固まった。

「ああ、気にするな。今は兄上の所に留学中で社会を学んでいる。身なりからすると大きな商会の子息といったところか?どちらがイサクでどちらがイザムなのだ?」

 もともとこの国の王族は気安い方が多いから安心しろと声をかけたアーノルドに2人から「せめて教えておいてほしかった」と苦情を告げられた。
……が、事情を聞くと2人とも顔が真っ青になり港の予定を確認するために急いで管理棟へ行った。

 入れ違いのように残りの2人が到着。貴族の2人は汽車の駅からローランドが来ていると情報を受け取り、失礼にあたらないよう略式ながらも正装で領主館に来た。

「お初にお目もじ致します。ゴーシュ男爵家3男サミュエルと申します。」

「お初にお目もじ致します。マイル男爵家次男カシスと申します。」

 部屋に入りアーノルドを無視したままローランドの前に跪き挨拶をした。

「殿下、この2人は私の悪友です。……お前達、殿下がびっくりしてるから。」

 館の主を思いっきり無視して挨拶をしてきた2人に軽く目を見開いてしまったローランドに“アーノルドを無視して挨拶をしたのはワザとなんですよ。”自分達の仲では悪のりの範囲内なのだと教えた。

「面白い男達だな。皆αか……私はローランドだ。今回は非常に忙しくなる。頼んだぞ。」

 2人揃って「承りました」と返したが意味がわからずアーノルドの方へと目を向けた。アーノルドも心得ていてすぐに2人を茶の席へ招き事情を話した。
 ローランドから気にせずいつものようにして良いと許しが出たこともあって、2人は必要な事が何なのか把握するとメモをとり行動の優先順位を決めていった。

「失礼致します!港の予定を確認して参りました。」

 双子が帰って来たので報告を求める。

「フールフーガの戦艦と“鬼神”が入港となりますと此方のメインしか水深が足りないのです。」

 “鬼神”が誰を何を指しているのかはわかるので敢えて口には出さないが心の中では(ぴったりの呼び方だな)という思いがあふれていた。
 入港は可能だがずっと接岸されるのは厳しいとわかったが何とかなりそうだ。いつも商売の為に来るときは護衛艦は沖で停泊して接岸は商船のみ。護衛艦の人間は小船で入って来ていた。
 それでも今回はこちらの要請に応えての入港となれば歓待は必然。とりあえず各艦の艦長と護衛、その他を2日程度は持て成す必要がある。
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