Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

文字の大きさ
上 下
185 / 685

悪友?いえ、友人です

しおりを挟む
 アーノルドの館に4人のαが到着した。2人は幼なじみで2人は社交界に出たあたりで知り合った。幼なじみの2人はいつもは港の管理者として港にいる。その港の予定を知りたいのだ。

「アーノルド様、いつもいつも突然のお呼びだしデスねー。っと……そちらの子は?αらしいですけど?」

「ああ…初対面だな。ローランド殿下、私の幼なじみのイサクとイザムです。御覧のように双子のαです。貴族では無いのでご容赦を。」

 サラッと紹介をしたが驚いたのは双子の方で、直立不動で固まった。

「ああ、気にするな。今は兄上の所に留学中で社会を学んでいる。身なりからすると大きな商会の子息といったところか?どちらがイサクでどちらがイザムなのだ?」

 もともとこの国の王族は気安い方が多いから安心しろと声をかけたアーノルドに2人から「せめて教えておいてほしかった」と苦情を告げられた。
……が、事情を聞くと2人とも顔が真っ青になり港の予定を確認するために急いで管理棟へ行った。

 入れ違いのように残りの2人が到着。貴族の2人は汽車の駅からローランドが来ていると情報を受け取り、失礼にあたらないよう略式ながらも正装で領主館に来た。

「お初にお目もじ致します。ゴーシュ男爵家3男サミュエルと申します。」

「お初にお目もじ致します。マイル男爵家次男カシスと申します。」

 部屋に入りアーノルドを無視したままローランドの前に跪き挨拶をした。

「殿下、この2人は私の悪友です。……お前達、殿下がびっくりしてるから。」

 館の主を思いっきり無視して挨拶をしてきた2人に軽く目を見開いてしまったローランドに“アーノルドを無視して挨拶をしたのはワザとなんですよ。”自分達の仲では悪のりの範囲内なのだと教えた。

「面白い男達だな。皆αか……私はローランドだ。今回は非常に忙しくなる。頼んだぞ。」

 2人揃って「承りました」と返したが意味がわからずアーノルドの方へと目を向けた。アーノルドも心得ていてすぐに2人を茶の席へ招き事情を話した。
 ローランドから気にせずいつものようにして良いと許しが出たこともあって、2人は必要な事が何なのか把握するとメモをとり行動の優先順位を決めていった。

「失礼致します!港の予定を確認して参りました。」

 双子が帰って来たので報告を求める。

「フールフーガの戦艦と“鬼神”が入港となりますと此方のメインしか水深が足りないのです。」

 “鬼神”が誰を何を指しているのかはわかるので敢えて口には出さないが心の中では(ぴったりの呼び方だな)という思いがあふれていた。
 入港は可能だがずっと接岸されるのは厳しいとわかったが何とかなりそうだ。いつも商売の為に来るときは護衛艦は沖で停泊して接岸は商船のみ。護衛艦の人間は小船で入って来ていた。
 それでも今回はこちらの要請に応えての入港となれば歓待は必然。とりあえず各艦の艦長と護衛、その他を2日程度は持て成す必要がある。
しおりを挟む
感想 194

あなたにおすすめの小説

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

処理中です...