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大忙し
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こんな時、汽車があって本当に助かったと思ってしまう。お披露目用に物資の運搬をさせていた汽車が丁度出発準備が整っていた為それに飛び乗り大きく時間を短縮させられた。
最近色々と置いてきぼりをくって面白くなかったローランドは久々の活躍の予感でちょっとウキウキしている。
汽車の中での会話はもちろん今まで集めた情報内容の整理と王妃の要望を叶えながらも無難なお披露目をする為にはどうしたら良いのかを話し合った。
「母上の手紙の写しを見せていただきました……。なんというか……本当に、本当に申し訳ございません。本来のお披露目は兄上が考えていたように充分に準備期間を設けて開くもの。それを母が……暴走いたしました。私の方も城内の動きを調べさせたところ非常に申し上げにくいのですが、母は兄上に馬車を準備したようです。」
馬車を準備?とはかなり高価な祝だ。とアーノルドは素直にそう思ったが、“申し上げにくい”と言うからには普通の馬車ではなさそうだ。
「どのような馬車ですか?黄金色の馬車?それとも王族の紋章でも入ってましたか?」
ノエルが孤児院の子供たちに用意した紙芝居に出てくる黄金の馬車ですか?と聞くとローランドはうなだれて首を横に振った。
この様子ではもっと目立つ馬車のようだ。
「母上は屋根のない大きな馬車を用意しています。馬は6頭。馬車の色は白ですが中のソファーやクッションは赤。お二人が向かい合っても横に並んでもどちらでも座れるように作られています。そして馬車にはレースやリボンなどと生花を使ってまるでブーケの様に飾り立てる馬車です。母上の頭の中ではその馬車にシモンを抱いた兄上とそれを支えて仲むつまじく寄り添う義兄様が大変幸せそうにグリフウッドの港付近をパレードしているようです。」
“快晴の空、光が反射する海、沿道の観衆と喝采。幸せそうに微笑む2人!なんて素敵!!”と場面を作り上げて笑っていると聞いた瞬間、(天候すら決められているのか!?)と人間ではどうする事もできない事にアーノルドは悩んだ。
「……殿下、止めてください。」
「無理だ。」
無駄だろうとは思ったものの言わずにはいられない言葉を言うと即答で返ってくる。
「義兄様に追い討ちをかけるようですまないが他にもある。花火はフールフーガの戦艦から上げられるように手配されている。フールフーガの花火職人も乗り込んでやってくる。最後の花火が打ち上げられたら後、両端の戦艦2艦から砲が打ち上げられる。因みに花火は最後の3日目の夜、トリに使われるのが好ましいらしい。」
フールフーガの戦艦はやはりそこですか。と疲れを見せるアーノルドにこれ以上言うのは気の毒とも感じ黙るローランドに「情報は総て言ってください」と言われ仕方なく次の情報を知らせた。
「母上がいらっしゃいます。……王妃の立場で……可愛い愛息子とその番と子を祝福すると。」
……ノエルは止められなかったらしい。やらなければならない事が満載で思考を放棄したくなったがもうそんな暇すら残っていない。アーノルドの中で旧知の友人達をこき使う事が決定された。
最近色々と置いてきぼりをくって面白くなかったローランドは久々の活躍の予感でちょっとウキウキしている。
汽車の中での会話はもちろん今まで集めた情報内容の整理と王妃の要望を叶えながらも無難なお披露目をする為にはどうしたら良いのかを話し合った。
「母上の手紙の写しを見せていただきました……。なんというか……本当に、本当に申し訳ございません。本来のお披露目は兄上が考えていたように充分に準備期間を設けて開くもの。それを母が……暴走いたしました。私の方も城内の動きを調べさせたところ非常に申し上げにくいのですが、母は兄上に馬車を準備したようです。」
馬車を準備?とはかなり高価な祝だ。とアーノルドは素直にそう思ったが、“申し上げにくい”と言うからには普通の馬車ではなさそうだ。
「どのような馬車ですか?黄金色の馬車?それとも王族の紋章でも入ってましたか?」
ノエルが孤児院の子供たちに用意した紙芝居に出てくる黄金の馬車ですか?と聞くとローランドはうなだれて首を横に振った。
この様子ではもっと目立つ馬車のようだ。
「母上は屋根のない大きな馬車を用意しています。馬は6頭。馬車の色は白ですが中のソファーやクッションは赤。お二人が向かい合っても横に並んでもどちらでも座れるように作られています。そして馬車にはレースやリボンなどと生花を使ってまるでブーケの様に飾り立てる馬車です。母上の頭の中ではその馬車にシモンを抱いた兄上とそれを支えて仲むつまじく寄り添う義兄様が大変幸せそうにグリフウッドの港付近をパレードしているようです。」
“快晴の空、光が反射する海、沿道の観衆と喝采。幸せそうに微笑む2人!なんて素敵!!”と場面を作り上げて笑っていると聞いた瞬間、(天候すら決められているのか!?)と人間ではどうする事もできない事にアーノルドは悩んだ。
「……殿下、止めてください。」
「無理だ。」
無駄だろうとは思ったものの言わずにはいられない言葉を言うと即答で返ってくる。
「義兄様に追い討ちをかけるようですまないが他にもある。花火はフールフーガの戦艦から上げられるように手配されている。フールフーガの花火職人も乗り込んでやってくる。最後の花火が打ち上げられたら後、両端の戦艦2艦から砲が打ち上げられる。因みに花火は最後の3日目の夜、トリに使われるのが好ましいらしい。」
フールフーガの戦艦はやはりそこですか。と疲れを見せるアーノルドにこれ以上言うのは気の毒とも感じ黙るローランドに「情報は総て言ってください」と言われ仕方なく次の情報を知らせた。
「母上がいらっしゃいます。……王妃の立場で……可愛い愛息子とその番と子を祝福すると。」
……ノエルは止められなかったらしい。やらなければならない事が満載で思考を放棄したくなったがもうそんな暇すら残っていない。アーノルドの中で旧知の友人達をこき使う事が決定された。
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