178 / 685
シモン
しおりを挟む
僕は今、自分の部屋のベッドの上にいます。果てしなく疲れています。……ええ、おしおき終わりましたよ。「私の事忘れちゃダメだよ。」って……。ええ!忘れませんとも!
今まではアーノルドの事は後回しにしていたりとかしても大丈夫だったけど、今回は嫌だったらしい。原因は多分、シモンの存在。爺が後からこっそり教えてくれた。
「シモン様はアーノルド様の実子とはいえどちらもαです。厄介なものですね、自分の子供でまだ何もわからないから赤ちゃんにすら嫉妬してしまうんですよ。
ノエル様、昔申し上げましたね?αはその能力に応じてテリトリーを持つと。シモン様は母親であるノエル様は自分だけの母だと主張しているのです。それをアーノルド様はノエル様はご自分の番でありシモン様はご自分より格下αであると教えたいのですよ。」
……αの格付けか。Ωには関係ないからあまり考えて無かったなぁ……。
「シモンにどうやって教えるの?」
単純に不思議に思ったから聞いたけど、聞かなきゃ良かった答えが返ってきた。
「簡単な事ですよ。ノエル様がアーノルド様の気配を内側に留めたままシモン様にミルクをあげたり、お昼寝すれば良いだけです。」
……ふーん。アーノルドの気配?
………………!“体の中に留めたまま”って、つまりアレ?つまりは今の状態…。ちょっと!恥ずかしすぎるから止めてよ~。
「さぁさ、そのような事よりも此方の方を早急にご判断ください。急がないと大事になりますよ。」
そう手渡してくれたのは母様からのお手紙だった。……ぁ、嫌な予感。
【ノエル、元気なようで安心しました。あのような者達が城内にいたとは本当に腹立たしい事です。私とノエルの時間を奪った者は決して許しません。可愛い孫のシモンは元気かしら?ノエルが私におねだりしてくれたシモンのお披露目を決めました。場所はグリフウッドになるけどもちろんスサエナでもお披露目をしましょうね。】
要約するとこんな感じ。
孫フィーバーを邪魔した奴らは絶対に許さない!地獄の底へ突き落としてやる!
シモンのお披露目はスサエナでもするけどグリフウッドでド派手にやるって決めたから!もう手配したから任せなさい!
……こんな母様の手紙、見なかった事に…できないよねぇ~。
それに、間違ってるよ母様。僕はおねだりなんてしていません。僕が母様に言ったのは「祝砲なんて止めてください。それのシモンは多分グリフウッドの後継者候補ですから王族入りもダメです。もし、この子が成人して本人が必要としていればお願いします。ですからシモンのお披露目はグリフウッドでしようと思います。まぁ、今後の事を考えれば母様個人からお祝いの言葉を戴ければ充分かと思います。」だった筈だよ。
あんまりにも寂しそうにするので、「じゃぁ、王都の花祭りのようにダンスでもする?」と提案したら「そうね~、今一ね~」って言っていたのは母様にもう違う考えがあったということ?
今まではアーノルドの事は後回しにしていたりとかしても大丈夫だったけど、今回は嫌だったらしい。原因は多分、シモンの存在。爺が後からこっそり教えてくれた。
「シモン様はアーノルド様の実子とはいえどちらもαです。厄介なものですね、自分の子供でまだ何もわからないから赤ちゃんにすら嫉妬してしまうんですよ。
ノエル様、昔申し上げましたね?αはその能力に応じてテリトリーを持つと。シモン様は母親であるノエル様は自分だけの母だと主張しているのです。それをアーノルド様はノエル様はご自分の番でありシモン様はご自分より格下αであると教えたいのですよ。」
……αの格付けか。Ωには関係ないからあまり考えて無かったなぁ……。
「シモンにどうやって教えるの?」
単純に不思議に思ったから聞いたけど、聞かなきゃ良かった答えが返ってきた。
「簡単な事ですよ。ノエル様がアーノルド様の気配を内側に留めたままシモン様にミルクをあげたり、お昼寝すれば良いだけです。」
……ふーん。アーノルドの気配?
………………!“体の中に留めたまま”って、つまりアレ?つまりは今の状態…。ちょっと!恥ずかしすぎるから止めてよ~。
「さぁさ、そのような事よりも此方の方を早急にご判断ください。急がないと大事になりますよ。」
そう手渡してくれたのは母様からのお手紙だった。……ぁ、嫌な予感。
【ノエル、元気なようで安心しました。あのような者達が城内にいたとは本当に腹立たしい事です。私とノエルの時間を奪った者は決して許しません。可愛い孫のシモンは元気かしら?ノエルが私におねだりしてくれたシモンのお披露目を決めました。場所はグリフウッドになるけどもちろんスサエナでもお披露目をしましょうね。】
要約するとこんな感じ。
孫フィーバーを邪魔した奴らは絶対に許さない!地獄の底へ突き落としてやる!
シモンのお披露目はスサエナでもするけどグリフウッドでド派手にやるって決めたから!もう手配したから任せなさい!
……こんな母様の手紙、見なかった事に…できないよねぇ~。
それに、間違ってるよ母様。僕はおねだりなんてしていません。僕が母様に言ったのは「祝砲なんて止めてください。それのシモンは多分グリフウッドの後継者候補ですから王族入りもダメです。もし、この子が成人して本人が必要としていればお願いします。ですからシモンのお披露目はグリフウッドでしようと思います。まぁ、今後の事を考えれば母様個人からお祝いの言葉を戴ければ充分かと思います。」だった筈だよ。
あんまりにも寂しそうにするので、「じゃぁ、王都の花祭りのようにダンスでもする?」と提案したら「そうね~、今一ね~」って言っていたのは母様にもう違う考えがあったということ?
52
お気に入りに追加
2,676
あなたにおすすめの小説

身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる