Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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巣籠もり

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 巣に帰ると言った僕に心配しついて来たがる両親とローランドを残してアーノルドにつれてきてもらう。本当ならまだ話し合いたい事は多いけど……今はムリ。

 ……ハァ~。なんだろう?こんな気分になったのは初めてだ。やっぱり体は大丈夫でも心がびっくりしているのかな?

「直ぐに医者が来るけど、巣に入れても良いか?それともリビングにするなら私がずっとついてるから大丈夫だよ。」

 どうする?と部屋に入りながら聞かれて、リビングを選択した。アーノルドが横にいてくれるなら少し落ち着けるかな?
 コンコンとノックの後、爺に連れられてまた父様の主治医が入って来た。

「ノエル様、お加減が優れないと伺いましたが…。」

 特に気持ち悪いとか頭が痛いなんて事は無いのに巣にいたくて我慢できなかったと素直に話した。

「……なるほど、なるほど。……不安な気持ちはございますかな?脈を拝見いたします。私の目を見て下さい……アーノルド様、私は医者です。威嚇しないで下さい。……口を開けて喉を……はい、よろしゅうございます。」

 やはり妊娠初期に危険な目にあい、不安感が抜けないうちに犯人の事を思い出した為無意識に尤も安心する場所に居たくなったのだろうという見立てだった。

「私がいてあげるから、ノエルはゆっくり休め。ノエルはいつも頑張りすぎなんだよ?もう少し私達に甘えてくれ。αは自分のΩに甘えられるのが大好きなんだ。」

 僕を巣に入れて頭を撫でる手は凄く気持ちよかった。……うーん、甘える…ねぇ。

「それなら、アーノルドにお願い。父様と母様をちゃんと王都に返して?僕がこんなだからちょっと大変かもしれないけどお願い。」
 
 あざといのがわかってるけど、小首を傾げて上目ずかいでアーノルドを見る。ウ”ッて呻いて手で抑えてるアーノルドをちょっと醒めた目で見てしまった。

「…いや、あの……これは不可抗力というか……ノエル私が弱いのわかっててやってるでしょ?それならこうなっちゃうのもわかるでしょ!?」

 ……わからないよ。どうしてこれぐらいで股間抑えるようになってるわけ?
 まぁ、ほっとこう。

「ノエル、キミはもう少し自分の価値を見直した方が良いと思う……」

 と、なんだか言いだしたからベッドに潜って逃げた。うーん…体制によってちょっと気持ち悪い時があるな…あ、これが有名な悪阻?
 なんて思いながらコロコロしていたら思わず寝ちゃったらしくて起きたらもう朝日が顔を出していた。

 よく眠れたし、落ち着いたのではと思って巣から出て見たけどやっぱり直ぐに戻ってきた。
……これは、ダメだね?よし、それなら巣の中に籠もりながら色々出来るように巣自体を広げよう!
 この部屋中心にリビングと執務室を巣にしてしまおう!

 不思議な事に巣を大きくする作業はとても順調でソッと手伝ってくれる手もあったために具合が悪くなることもなく早く終わった。
あ、それから僕が起きたときもうすでに父様と母様は王都に向かって帰った後でした。

 アーノルド、ありがとう。ちょっとやつれていたけど本当にありがとう!
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