Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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やっぱり規格外?

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 「アーノルド、ごめん…なんかね?腰が抜けてるみたい。手貸してくれる?」

え?って僕を見た後、椅子から横抱きにして連れて出てくれた。

「ノエルの発情期はまだ本格的に来てないのかな?」

「そうなの?話で聞いてた発情期の症状はあってると思うけど……体が熱をもって怠いのに番が近づくと側から離れたくない。番の匂いを求めて探して、側におきたくなる。」

 合ってるでしょう?と見上げると、ちょっと困った顔のアーノルドと目があった。

「合ってるけど、冷静にそう判断が出来る発情期って聞いたこと無いんだよ。」

「あれ??そうなの?」

 部屋まで来ると両手の塞がっているアーノルドの為に開けてあげる。とはいっても僕のせいで塞がっているんだけどね…。
 中に入って、ベッドルームへすぐに進むのでちょっと気恥ずかしく思いながら誤魔化すために会話を探す…見つからない……。

 普通のΩの子はこういう時どうするんだろう?
モジモジしてると頭の上で小さく笑う声がした。

「慣れない事で気恥ずかしいのはわかるけど、ベッドルームのドア開けて?」

あ、笑われてしまった。でもこの状況でこの部屋は更に気恥ずかしさが募るだけなんだけど、やっぱり開けなきゃですよね~。
 カチャと開けるドアの音がなんか生々しく聞こえるのは何故だろう。

「……ノエル………。」

 部屋に入って巣を見た途端に横抱きした体制のままギュウッと抱きしめられた。

 え?なに?どういうこと?
……感激してるの?あ……巣に?
………どうしよう、罪悪感が………。

「ノエル、嬉しいよ。そうだね、ノエルは自分の感情を面に出すのは苦手だけど行動で示してくれる。この巣は私を待っていてくれた証拠だ。ああ、だから部屋のドアを開けるのが恥ずかしかったんだね。」

 僕の顔いっぱいにキスの雨を降らせながら感激してるアーノルドに、まさか“監視予防の為です”なんて言えない!
……あ、でもアーノルドを指折り数えて待っていたのは事実か。

「朝起きたら後何日でアーノルドが来るって思っていたよ?」

 ちょっとあざといけど首も少し傾けて言う。

「よく見るとノエルのガウンの下は私のパジャマだね。よく私のお気に入りだと見抜いたね。嬉しいな…そんなに私を待っていたんだね。」

 あら、お気に入りのパジャマだったんだ。何気に良く眠れると思ったら微かに残ってたアーノルドの匂いで安心したという事か。

「アーノルドがこの館にいない時はこのパジャマ僕に貸してね?」

 ニッコリ笑顔付きのおねだりは効果抜群。淋しい時は何時でも何でも着ていいよって言ってくれた。

「でも私自身がノエルの側になるべく居られるようにしようね?」

 甘い囁き付きでベッドの上に降ろされた。

「この巣はどう?気に入った?」

「もちろんだ。大変だったろうに…巣にいると気が緩むのかな?」

 巣の何重にも重ねたシーツのカーテンを触っていたアーノルドが急いで戻って来て僕を覗き込んでる。……あ、僕の香が強くなったんだ。自分でもわかるくらいフワフワと甘い匂いがし始めた。



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