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嫌な感じ!
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サムスプリング領の今現在の様子を知らされた。
ここ数年で農作物による収入が極端に減っているという。負の連鎖とはよく言ったもので、農作物の収入を見込んで借金をしていた農家が畑や土地を失った。農家はそれを取り戻す為金貸しから更に借金をして家まで取られた。
一家は離散、女子供の行き先は悲惨なものだろう。
こういった事が領地の至る所でおきた為、村自体が無くなった所まである。
そうなるとその村を管轄していた街の役人も責任をとって税金などの負債を被る。そしてまた借金に追われて逃げるが、役人に雇われていた者にも被害が及びまた……。
とうとう領の財政が困難になってきたらしい。
しかし領主達はこの事態を収めに動くどころか、余計に酷くしたそうだ。
“失政”という言葉が頭に浮かんだ。王様ほどではなくても領主も政治を行う。間違い続けた結果が領地を荒れさせる…僕の采配一つで明日は我が身だ。
「サムスプリング領主はα至上主義を公言しており、Ωはαの為のみに存在すると主張しΩの人権などは考えた事すら無いそうです。」
領地の財政報告後は領主の人柄を報告していたがここで僕と正反対の立ち位置にいる人間だと知らされた。なるほどね…それであの賠償をしろという馬鹿な発言があった訳ね。
Ωの領主がαの自分の所に無い物を次々に生み出している。そしてそれが使えそうな物であるから余計に腹立たしいと?
僕の方が腹が立って来た。
「父様、お願いがあります」
やはりこの報告の為に怒りを滲ませながらも僕を癒やしに使っていた父が僕のお願いという言葉に相好を崩して顔を向けた。
……変わり早っ!!
「サムスプリング領主の訴えを受けてください。そしてなるべく……いいえ、直ぐに法廷で決着をつけさせて下さい。時間を無駄にしたくありません。」
「……ノエルが怒ってる。」ボソッとアーノルドが言った声が聞こえたけど無視。そのまま父に甘えてこの報告を持ってきた隠密?の人を借りた。ついでに1週間後という有り得ない速さで招集するという言質をもらう。
忙しくなるが“王と皇太子が現地視察に来ていた”という事実は非常に都合がよい。この事実だけで手間が半分は稼げた。
それだけじゃない…警護していた兵は皆王直属の近衛だ。皆上級貴族や発言力の強い貴族の家の者ばかりだし、近衛に選ばれるくらいだから忠誠心もあつい。証言は有効だろう。
フフフフと笑っているとまたボソボソと会話が聞こえてきた。
「兄様はこの状態を…もしかして楽しんでる?」
「もしかしなくても楽しんでます。」
「……いつもの兄様と違うけど……」
「ノエルは本来こういう子ですよ。何事もなければ優秀なαのように領地経営をして何かが起こればこうして対処にあたる。しかも結構容赦なく追い詰めます。でも絶対表舞台に立たない。」
「それが皇太子で弟の私が知らない理由?」
「それも有るでしょうが、ここ数年は本当に何事もなく平和だったからですよ。」
ここ数年で農作物による収入が極端に減っているという。負の連鎖とはよく言ったもので、農作物の収入を見込んで借金をしていた農家が畑や土地を失った。農家はそれを取り戻す為金貸しから更に借金をして家まで取られた。
一家は離散、女子供の行き先は悲惨なものだろう。
こういった事が領地の至る所でおきた為、村自体が無くなった所まである。
そうなるとその村を管轄していた街の役人も責任をとって税金などの負債を被る。そしてまた借金に追われて逃げるが、役人に雇われていた者にも被害が及びまた……。
とうとう領の財政が困難になってきたらしい。
しかし領主達はこの事態を収めに動くどころか、余計に酷くしたそうだ。
“失政”という言葉が頭に浮かんだ。王様ほどではなくても領主も政治を行う。間違い続けた結果が領地を荒れさせる…僕の采配一つで明日は我が身だ。
「サムスプリング領主はα至上主義を公言しており、Ωはαの為のみに存在すると主張しΩの人権などは考えた事すら無いそうです。」
領地の財政報告後は領主の人柄を報告していたがここで僕と正反対の立ち位置にいる人間だと知らされた。なるほどね…それであの賠償をしろという馬鹿な発言があった訳ね。
Ωの領主がαの自分の所に無い物を次々に生み出している。そしてそれが使えそうな物であるから余計に腹立たしいと?
僕の方が腹が立って来た。
「父様、お願いがあります」
やはりこの報告の為に怒りを滲ませながらも僕を癒やしに使っていた父が僕のお願いという言葉に相好を崩して顔を向けた。
……変わり早っ!!
「サムスプリング領主の訴えを受けてください。そしてなるべく……いいえ、直ぐに法廷で決着をつけさせて下さい。時間を無駄にしたくありません。」
「……ノエルが怒ってる。」ボソッとアーノルドが言った声が聞こえたけど無視。そのまま父に甘えてこの報告を持ってきた隠密?の人を借りた。ついでに1週間後という有り得ない速さで招集するという言質をもらう。
忙しくなるが“王と皇太子が現地視察に来ていた”という事実は非常に都合がよい。この事実だけで手間が半分は稼げた。
それだけじゃない…警護していた兵は皆王直属の近衛だ。皆上級貴族や発言力の強い貴族の家の者ばかりだし、近衛に選ばれるくらいだから忠誠心もあつい。証言は有効だろう。
フフフフと笑っているとまたボソボソと会話が聞こえてきた。
「兄様はこの状態を…もしかして楽しんでる?」
「もしかしなくても楽しんでます。」
「……いつもの兄様と違うけど……」
「ノエルは本来こういう子ですよ。何事もなければ優秀なαのように領地経営をして何かが起こればこうして対処にあたる。しかも結構容赦なく追い詰めます。でも絶対表舞台に立たない。」
「それが皇太子で弟の私が知らない理由?」
「それも有るでしょうが、ここ数年は本当に何事もなく平和だったからですよ。」
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