Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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馬の方がお利口さん

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 四半時ほど後、僕は泣きそうだった。

ローランドを真似て何度やってもうまく行かない。
爺だと力に不安があるからとアーノルドが膝を貸してくれたのに、膝から踏み出す時点でバランスを崩して転がり落ちそうになる事十数回。

 見かねた護衛の兵が補助についてくれても馬に跨がる前にアワワってなっちゃう。
 チラッと見ると父は手をワキワキさせてるし、ローランドは申し訳なさそうだし……泣きそう。

 もう諦めようと思ったら、それまでお利口にしていた馬がブルルルルっと嘶いた。
……後ろ足をおって、しゃがんでくれてる!!

 「ありがとう」とお礼を言って、背中に跨がるとゆっくりゆっくり立ち上がって、ローランドの横に並んでくれた!
 この子凄い子だよね!?

 そんな事で時間を潰したのに父は機嫌も悪くならずにこやかにしていた。僕の馬の手綱が父に渡されたの見て納得したけど。横並びで馬に乗りたかったんだね父様。

 爺だけは気づいていた。
「ノエル様、王様は横並びで歩きたいのではありません。供乗りしたかったのです。そしてお一人では不安なので手綱をお取りになったのです!」という心の叫びを押し殺した。


 駆け足状態で馬が駆ける。このお利口な子は僕が休憩の度にしゃがんで乗り降りを助けてくれる!

「父様、この様子だと日があるうちに街につけそうで良かったですね?」

「ああ、ノエルと一緒だから道中も楽しかったが疲れてはいないか?大丈夫か?」

 もう半分の道のりを過ぎたくらいでそんな会話をしていた時だった。前方に貴族の馬車が見える。僕らがスピードを落とすと護衛の兵が前に周り警戒をした。前方の馬車は此方側を向いて止まってるから何かの反応はあるはずだ。

 100メートルほど手前で向き合うように止まる。向こう側も動きがあったからだ。身分提示の旗が掲げられどこの誰かわかったけどここにいる意味がわからない。
 馬車の中の人物は隣の領地の領主、ペドロ・サムスプリングらしい。

「父様、嫌な予感しかしません。」

「サムスプリングか…面識は領主認定式の1回のみだな。あまり利口な者ではなさそうだ。」

 あんな止まり方してたら通行の邪魔だ。一般人には威圧感を与えるし、通り過ぎる時に難癖つけられるかもと思うと横を通り過ぎる事もできないだろうまた、他の貴族からすれば待ち伏せともとれるから警戒の対象になる。
 僕の中ではもう迷惑を考えない人なんだと位置付けされたよ。

 馬車の扉が開いて2人の男が出てきた。僕達の方を見て指差して話をしている。…護衛の人、全然動かないね。普通は此方側にこういう理由で止まってますと伝令が来るんだけど、主人が乗ってない?命令が出せない状態?

 横の父もその様子に眉を寄せている。アーノルドが警戒して僕のすぐ横に並び僕を自分の馬に移らせる。何かあった時僕の技術だと逃げきれないし身を守れないからだよね。
























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