Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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父様、お願い(ハートマーク)

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「ノエル様、直ぐにいらして良いそうです。」

 フルーツを食べ終えたところで面会の許可を取りに行った侍女さんが戻ってきた。
 相変わらず父様は僕に甘いねぇ…。
「会いたいです。」「はい、どうぞ」の立場じゃ無いのに。

 早速、お仕事の鞄をしょって(コレも僕が作ってリュック)いそいそと父様の部屋に向かう。
途中の窓に自分の姿が移ったのでチェックをする。
…別に胸当てが気になってる訳じゃないよ?ただちょっとバレたりしないか心配なだけ。

 なんとなくいつもと違うような気がするけどまぁいいか?
今日も良い天気だ。こんな良い天気の日はピクニックにでも行きたくなるよ。

「おはようございます父様、ご機嫌如何ですか?」

 僕が父様の部屋に着くと同時にドアが開いて迎え入れられる。ニコニコほくほくのお顔を見ると機嫌はとても良いのだろう。

 父様~とホテホテと寄って行くと、いつものように両手を差し出して…固まってる?どうして?

「父様?どうなされました?」と言い終わらないうちにガバッと抱きつかれたよ!

「何故だ!何故なのだノエル!!何故、父だけの可愛いノエルでなくなってしまったのだっ!!」

僕の後頭部に大きな手を回して引き寄せて、頭のてっぺんに頬をスリスリしながら叫んでる。

「あれほど!あれほど釘を刺したのに!!」

 ちょっと待って父様!!どういう事!?
ええ?ええっと……待って、待って、舞って!
もしかして……。もしかする??

 相変わらず抱えこまれながら「あやつめ」とか「その日に手を出すとは」とか言ってる。
はい。バレてる!!


 この後、なんとか落ち着いたけど何時もに増して僕にピッタリくっついている。その状態で「アーノルドとローランドを呼んで参れ」と渋く言うけど…傍目におかしいでしょ。

「父様、怒るの?」

 成り行きなどは恥ずかしくって話せないし、ハッキリ昨日はアーノルドと性的な関係を持ちましたなんて言った訳じゃないけど、わかってしまっているようで主語が無い会話が成り立つ。

「怒りはしないよノエル。だがより深く太い釘をのめり込ませねばならない!」

 父様、声も顔も渋い。何かの感情を抑え込んでる様な声と言葉だけど、とうとう僕を膝抱っこにした姿は合わないと思うな。

 こんな格好ではあるけれど僕も一応成人した大人なんだから2人が来るまでに、呼び出しまでする意味を知りたくて少し突っ込んだ話をしよう。

「ねぇ父様、アーノルドはわかるけどなんでローランドも呼んだの?」

「……そもそもの原因はローランドがアーノルドを挑発したのだろう。ローランドは兄としてノエルの事が大好きだが、αとしてノエルの気を引きたいのだ。運命の番であるアーノルドが癪に障ってしまうようだね。」

「ローランドがαとして僕を見ていると?」

「恋愛的なものではないだろうから安心しなさい。ただ、大好きな兄が自分より大事にする存在を目の当たりにして意地悪したくなっているんだよ。」

「からかわれるのは困るけど、何年も会っていなかったし僕もローランドを弟として大切に思ってます。でもローランドは皇太子なのだからどこかで線引きは必要になります。」

 どう話をするべきかねぇ。







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