Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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 母様のおかげです。ひとえに母様のおかげです。
一部混乱と放置をそのままに成人のお祝いは無事終了。疲れ果てた僕は甘やかしてくれるアーノルドの言うまま横抱きされて部屋に運んでもらった。

「帰りなさい!」

続いて入ってきて、そのまま居座ろうとするローランドにキッパリ言う。
 小声で「兄様~」って言うのダメ!可哀想でつい「仕方無いね」と言っちゃいそうじゃないか。

「じゃあ、また後で来るもの…。」

「後もダメ!」

「もう抱きついてスリスリしないから…。」

「そうじゃなくて!」

「兄様、まだ気にしてるの?」

「人によっては発達の違いがあって遅い人もいるんです!だからいーの!」

「やっぱり気にしてるの?」

「気にしてません!」

「何が?!」

「だから僕が発達が遅くて!……ぁぅ。」

「ノエルの何が発達が遅いの?弟にスリスリされて発達が遅いって……どういう事?」

…………アーノルドいたの忘れてた。ヤバイ。
今朝起きたらローランドがいたって言ってない。
 別に言わなきゃいけない事だとも思わなかったけど、この流れって言ってなかった事もダメな感じじゃないか。

「ノエル、説明しようか?」

 僕をベッドに座らせると正面に椅子を持ってきて、膝と膝がくっつくぐらいの距離で座る。
ローランドも何か悪かったのか?くらい軽い様子で近くの椅子に座った。

「ローランド、キミは自分の部屋に戻りなさい。そしてもう今日は来ない事。今からアーノルドと番同士の話をするから。」

 少しの間僕を見ていたけど、諦めたようで頷いて帰って行った。……よし、なんとか兄の体面をまもったよ。

 パタンとドアが閉まり、侍女さん達もいつの間にか消えてる!2人だけなのを確認すると、アーノルドに向き合った。……けど、言いにくい!途中までは言える。でも……どーしょー。

「ノエル、言えない事?」

悲しげな声で目をのぞき込まれるから、つい「言える」と言ってしまう。

「言えるけど、すごく言いにくい。」

僕の今の表情はどうなんだろう?後ろめたい訳じゃないから青ざめてはいないだろうけど、表情から察してくださいは通用しなさそうだ。

「あのね、今朝起きたらローランドが一緒に寝ていたの。鍵もかけてあったのにって言ったら、ここの部屋とローランドの部屋は隠し部屋を挟んで行き来出来るんだって。」

 どこだ?というように壁を見つめ、コンコンと壁を叩いて空洞を調べ始めた。そこは直ぐに見つかりノブがモチーフの一部になっていてドアを開けた。
ドアは僕の部屋側に開くようになっていたのでアーノルドが寝椅子を移動させて開かないようにした。

「それから?」

他に細工がないか一通り見た後戻って来てまた元のように座り直した。

「うん、それでね、目が覚めたらローランドが抱きついてきていたんで吃驚して起こしたら寝ぼけて抱きついたまま頭スリスリ擦り付けてきたの。」

……此処までので納得して下さい。無理あるけど。
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