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閑話:あのデジレ様*
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*今回一部おじ様達の絡みがあります。
苦手な方はすみません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
……婚姻??……誰のだ?……私??
……隣国の……海軍提督??
……政治的な事?
……政治……国の為……?
私の頭の中はこんなことでいっぱいだった。
あの夜の事はある段階からはっきり覚えている。
海軍提督が自分の名を名乗り、名で呼んでほしいと言ってきた。
私の耳元で、私にだけ聞こえるように自分の本当の名を教えてくれた。「セオ」そう呼んでほしいと…他の誰も呼ばない名を教えてくれた。
いや、正しくは誰も呼ぶ事を許されていないのだ。だから彼は「海軍提督」や「提督」「艦長」「頭」
などの呼び方をされている。
私が領主だった頃からセオはたった1艘の交易船のために護衛としてやってきていた。毎回来る度にご機嫌伺いと言いながら必ず領主館まで来て滞在した。
私はホスト的立場として酒の席や狩りなども一緒にして良き隣人であり友人の立場だと思っていた。
……いや、確かに時々言われてはいた。
「私の心は此処にある。」この言葉はセオが酒を飲む度に私に言っていた。
昨日、私を抱く時も言っていた。だから何故か簡単に許してしまった。
…………やり場のない怒りとも後悔とも違う言いようのない感情がグルグルと回っている。
違う!そんな事はどうでも良い。
今はこの痛みと体の怠さと……自分の後孔から流れた液体……この現実を逃避したかった。
意外と冷静に現実逃避から戻り行動しようとしたが体がそれを許さない。ノロノロと上着を着てやっと人心地ついた。
結局デジレは王へ別れの挨拶を済ませた後、海軍提督の計らいで振動が少なく移動が楽な舟で海まで下って行った。……海軍提督が自ら選んだデジレの為の使用人達を引き連れて。
海軍提督の鑑では「提督のお嫁さん」を待っていたが船員達の夢見た「お嫁さん」ではなかった。もちろん鑑の上層部の者達はデジレの事を知っていたし、大分前から「海軍提督の思い人」として知っていたのでさほど混乱は無かったのが幸いだった。
それでも上層部を含めた全船員が帰国途中とても困った。それはデジレに対しての対応だったり呼び方だったり色々だ。とりわけ朝の対応がどうして良いか全くわからない為連れてきた使用人達が馴れない鑑の中で四苦八苦しながら仕事する事になった。
「あ…う”…んあ”ぁ……あ…あ…」
薄暗い鑑の中に声が聞こえてくる。同時にギッシギッシというベッドの軋む音も聞こえてくれば何をしているのかもう丸わかりだ。
時々「セレ…セレ!」と呼ぶ名で誰が発した声だというのも知れ渡る。デジレが感極まった時や我慢出来ない時に海軍提督の名を切なげな声で呼ぶのはもう殆どの船員が知っている。
隣あった部屋の上層部の船員は2夜目で避難を開始したという。しかし同時にバシンッバシンッと打ちつける音にデジレの体も心配したが誰かがボソッと呟いた「ハメ殺し」の言葉はこの音を聞いた人全てが納得した。
真上の部屋をあてがわれていた船員は哀れにも避難出来る場所がなかった。そのため毎夜、夜の見張りを申し出て、上役に理由を聞かれた際に話した内容は全船員が同情した。
苦手な方はすみません。
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……婚姻??……誰のだ?……私??
……隣国の……海軍提督??
……政治的な事?
……政治……国の為……?
私の頭の中はこんなことでいっぱいだった。
あの夜の事はある段階からはっきり覚えている。
海軍提督が自分の名を名乗り、名で呼んでほしいと言ってきた。
私の耳元で、私にだけ聞こえるように自分の本当の名を教えてくれた。「セオ」そう呼んでほしいと…他の誰も呼ばない名を教えてくれた。
いや、正しくは誰も呼ぶ事を許されていないのだ。だから彼は「海軍提督」や「提督」「艦長」「頭」
などの呼び方をされている。
私が領主だった頃からセオはたった1艘の交易船のために護衛としてやってきていた。毎回来る度にご機嫌伺いと言いながら必ず領主館まで来て滞在した。
私はホスト的立場として酒の席や狩りなども一緒にして良き隣人であり友人の立場だと思っていた。
……いや、確かに時々言われてはいた。
「私の心は此処にある。」この言葉はセオが酒を飲む度に私に言っていた。
昨日、私を抱く時も言っていた。だから何故か簡単に許してしまった。
…………やり場のない怒りとも後悔とも違う言いようのない感情がグルグルと回っている。
違う!そんな事はどうでも良い。
今はこの痛みと体の怠さと……自分の後孔から流れた液体……この現実を逃避したかった。
意外と冷静に現実逃避から戻り行動しようとしたが体がそれを許さない。ノロノロと上着を着てやっと人心地ついた。
結局デジレは王へ別れの挨拶を済ませた後、海軍提督の計らいで振動が少なく移動が楽な舟で海まで下って行った。……海軍提督が自ら選んだデジレの為の使用人達を引き連れて。
海軍提督の鑑では「提督のお嫁さん」を待っていたが船員達の夢見た「お嫁さん」ではなかった。もちろん鑑の上層部の者達はデジレの事を知っていたし、大分前から「海軍提督の思い人」として知っていたのでさほど混乱は無かったのが幸いだった。
それでも上層部を含めた全船員が帰国途中とても困った。それはデジレに対しての対応だったり呼び方だったり色々だ。とりわけ朝の対応がどうして良いか全くわからない為連れてきた使用人達が馴れない鑑の中で四苦八苦しながら仕事する事になった。
「あ…う”…んあ”ぁ……あ…あ…」
薄暗い鑑の中に声が聞こえてくる。同時にギッシギッシというベッドの軋む音も聞こえてくれば何をしているのかもう丸わかりだ。
時々「セレ…セレ!」と呼ぶ名で誰が発した声だというのも知れ渡る。デジレが感極まった時や我慢出来ない時に海軍提督の名を切なげな声で呼ぶのはもう殆どの船員が知っている。
隣あった部屋の上層部の船員は2夜目で避難を開始したという。しかし同時にバシンッバシンッと打ちつける音にデジレの体も心配したが誰かがボソッと呟いた「ハメ殺し」の言葉はこの音を聞いた人全てが納得した。
真上の部屋をあてがわれていた船員は哀れにも避難出来る場所がなかった。そのため毎夜、夜の見張りを申し出て、上役に理由を聞かれた際に話した内容は全船員が同情した。
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