Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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婚約

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 誕生会も中盤辺りで母が僕を迎えに来た。これから領主任命を受けた壇の下でアーノルドからのプロポーズを受ける事になる。
……大勢の人前でプロポーズって、どんな羞恥プレイだよ!って思ったけどこの世界の貴族では当たり前なんだって。
 この人は自分の大事な人です。と周りに知らせて皆が知っている事が大事らしい。

 いつの間にか部屋の中なのに大きなガゼボが建てられていた。全体的に白くて花やリボン、レースで飾り立てている。意味が解らないけど大きなオウムもいるしお利口そうな大きな犬もいる。

 ガゼボの真ん中にアーノルドがいてその横にはアーノルドの父親。ガゼボの奥で一段高い場所には王が威厳たっぷりに座っている。
 母に連れられてガゼボへ向かう僕を見送った人達は体の向きを変えガゼボを注目した。

 ニコニコ顔の母が僕の手をアーノルドに渡して後ろに下がると、アーノルドが僕の前に来て両手を握る。いつの間にか曲がロマンチックな物に変わって何処からか爽やかな風が流れてくる。雰囲気たっぷりなムードに思わず引いてしまう。

 おかしいな…恋愛小説なら相手を見上げてポーっとなるところだが…逃げ出したいよ!

「ノエル様…シュチュアート・ハイゼル・フランシス・ノエル・スサエナ・エルドゥド様に私、アーノルド・グリフウッドが求婚の許可を得ました。私の運命、光となって私を受け入れて下さい。」

 両手を持ち跪いて求婚の言葉を言った。
ぼくの右手の指先にキスをして指輪をはめる。下から見上げるアーノルドに返事を返して婚約は成り立つ。

 この長い名前をよくぞ言い切った!という思いを隠しておとなしめの答えを返した。

「はい。ぼ…私はアーノルド様と共に歩みたいと思います。」

 今まで見せた事のない男らしい笑みを見せると立ち上がり僕の腰に手を回す。皆の正面に向いた後、王の座る下に跪いて求婚が受け入れられたと報告をする。王の言葉をもって婚約式は終わった。

 あああああ!恥ずかしいったらないよ!こんなのもう二度と嫌だ!

 アーノルドと僕がガゼボから出ると突然、大きな声が響いた。

「王様、私に求婚の許可を頂きたい!」

吃驚して振り向くと海軍提督が王の下に跪いて願い出たところだった。

 えぇえ!海軍提督の求婚って…今?!。
横にいるアーノルドを見るとやっぱり目を見開いて驚いている。

「許そう。」

王の声がする。見ると2人は予め話が通っているから朗らかに「情熱的で良い事だ」と笑っている。海軍提督も「有り難き幸せ」とこちらに振り返った。

「デジレ・グリフウッド。貴公に求婚があった!」

 王の言葉に会場中が騒がしくなった。僕はアーノルドの父親はデジレという名前だったかと今更のことを思っていたけど周りはざわざわとしていた。

 そして、デジレ様は……全く知らなかったんだね。
顔色がどんどん悪くなっていった。
ちょっと可哀想なくらいの顔色だよ?













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