集団転移ですよ。

ギルドのタグ

　実習から帰ってから3日後、僕達の元に冒険者ギルドの人達が来た。この日に前からいた人が2人ここから出て外で暮らすらしい。１人は保護者と共に冒険者になって世界を見て回ると言っていた。もう１人は保護者の提案で近くの都市で宿屋を開くらしい。

　この2人を見送るとギルドの人は僕らに冒険者ギルドのタグを作ると言った。

「冒険者タグは材料集めから自分でするんですよ～」

　との言葉に僕らはびっくり。反対にギルドの人はこの様子に慣れてるようで説明を続けた。

「皆さん小さいプレートに名前やランクが記載され賞罰、討伐記録がつくのでしょって言いますけどそんな便利な物じゃないですよ。ギルドのプレートって言うのは言い換えれば"ただの名札”です。嫌な言い方をすれば"存在した証”ですねぇ。どこかで行方不明になってギルドのプレートが見つかると特定行方不明者になって残された家人に通達がいきます。そういう場合でなくてもプレートだけで還る人は冒険者になれば一定数はいます。
　そんな物ですからギルドのプレートは自分で用意するんですよ。
　……まぁ面倒だと言う人のためには亀の甲羅のプレートを出しますけど。」

　見せてもらった亀の甲羅のプレートはかなりプラスチック感のある物で凄く微妙だった。




　「………っていう事があったんだよね?それで2人のプレートを見せてもらおうと思って。」

　僕は早速とウルの家に来た。サイールは今日は討伐依頼と聞いていたのでウルは街にいると思ったんだ。

「ああなるほど。私のプレートは紫檀という植物のプレートですよ。日本にも紫檀という種類の樹木があるようですがそれとは違ってこちらの紫檀は柔らかく弾力性のある香りが強い植物ですね。私の様に首からネックレスにしていると良い香りで癒やされますよ。」

　植物って事は脆いんじゃないかと思って聞いてみると確かに鉱石や魔獣素材に比べれば脆いが毎日身に着ける物だから気にいるのが一番だと言う。
　うーん、でも僕はウルと違っておっちょこちょいだからうっかり料理中に燃やすなんて事もあり得る。

「じゃあ軽くて丈夫で僕でも取れる良い素材知らない?」

「そうだね……一般的なのは一角兎の角、オオトカゲの鱗、あたりだけどジュンは学校の名札持ってないの?」

　え?……いきなり名札?え?名札ってあのクラス章と一緒の?　登山リュックに付ける決まりだったから勿論あるけど……なぜ?

「縫い付け様の穴もあるんでしょ?後ろが空白だからそこに情報描き入れて持ってる日本人は多いよ?丈夫で軽くて汚れにくくて良いらしいけど。」

　ああああ～、なるほど～。そういえばそうだね長さ5センチ幅2.5センチほどで厚みも5ミリくらいの真っ白プラスチック製プレートだわ。表面に学校の校章マーク、学年クラスその下に名前が書いてあるあのお馴染みのヤツか。