集団転移ですよ。

白いモフモフ

文字の大きさ
上 下
51 / 91

ダンジョン内

しおりを挟む
 何事もなく……そう、本当に何事もなく6階層まで到着。おかしいよね?僕だってそう思うよ。でも本当に何事もなく安全に歩いて来たんだ。

「なに、おかしくも無いさ。駆け出しとはいえ2人も魔法で倒せる力をつけた。その上オレ等3人がついてるんだここら辺までの魔獣は逃げる。」

 フンッと鼻先で笑い飛ばされてしまった。それにしても6階層は綺麗な所だね、5階までは普通に洞窟内のような土壁(この際高さや広さはとやかく言わない)だったけど、ここはまるで草原だ。……外に出たの?っていうくらい明るいし風も吹いてるけど間違いなくダンジョンの中なんだって。

「ここはこの環境なので多少魔法が制御できずともなんとでもなります。出てくる魔獣も小型だけですし練習にはうってつけでしょう。」

 つまりは制御出来ないのが前提と……。今回は水だから地面がぐちゃぐちゃになって滑って危ないとか他人様に迷惑が少ない場所を選んだと……。そういうことですか?

 ウルはにっこり笑って僕たちに荷物をサイールに任せて来るように言った。



 「水の流れ……イメージ……」

 ウルに教えてもらいながらナオの隣で集中。
ウルは水の流れをイメージしながら魔力を手のひらから沸き出させるようにと言った。
 目をつぶって両手を前に出し、沸き出すイメージ…僕の場合は噴水を考えた。

 ザッババババ!! と水の音がしたので目を開けるとナオが成功したのか大量の水が降っていた。
ナオ!出来たんだ!と横を見るとナオはウルフに抱かれて眠ってる……。へ??とウルを見るとウルは透明の膜で水を防いでいる。うん、理解した。

 この水はナオが一気に出した水で、このせいでナオは疲れて寝落ち。ウルはこうなると予測していて防いでいると。その向こうにいるサイールも特に気にした様子もなくテントを含め宿泊のセッティングを進めていた。
 ……ああなると解っていて魔法出すのか、と気落ちしながらより慎重に練習を再開した。

 バッシャーーーン!! すぐ横で水風船が割れた音で目を開ける。
 ウルのおかげで濡れてないけど大きな水溜まりがあった。

「フフ…、ジュンちょっと惜しい。水の塊が出て落ちたんだよ。もう一回ちゃんと目を開けてやってみようか。」

 一応、水が出たという自信をもとにもう一度と念じる。ゆっくり、ゆっくり……掌のさきにコポポッと水が湧いた!この調子で……と思ったとたん、僕の意識がブラックアウト。

「おっと、危ない。」

 とっさにウルが支えてくれたと後で知った。


 「起きたか。」

 目を覚ましたらウルフがいた。
……あれ?帰って来ちゃった?

 「ここ誰の家ですか?ウルフの?」

 大きくてフワフワ、真っ白なシルクのような肌触りのシーツ。お、絨毯も毛が長くてすごいな。絶対高いよね、間違っても飲み物とか溢しちゃいけないヤツ。

「ん……テントだ。」

 はい?……テントと仰いました?

「ほら、そっちのドアの向こうでナオが待ってる。そっちで聞け。」

 なんだかウルフの声に呆れ?が入ってる?来たばかりで魔力切れおこしたことを呆れてる?うわー、頑張って巻き返さないと。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~

シキ
BL
全寮制学園モノBL。 倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。 倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……? 真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。 一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。 こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。 今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。 当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!

かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。 その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。 両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。 自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。 自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。 相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと… のんびり新連載。 気まぐれ更新です。 BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意! 人外CPにはなりません ストックなくなるまでは07:10に公開 3/10 コピペミスで1話飛ばしていたことが判明しました!申し訳ございません!!

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

処理中です...