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パン屋
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カマイタチを覚えた僕らは風の操りかたがすごく上手くなっていた。もうドライヤーなしでも髪も乾くし小さな物なら引き寄せられる。日常生活の中でも練習をしておくとコントロールが上手くなると聞いたので僕らもやってみた。ドライヤー代わりなんてカマイタチにならないか怖かったけど、魔法はイメージだもの。ドライヤーだと思えば簡単にドライヤーになった。……洗いも物の乾燥も楽だね。まぁ洗濯物干しは室内の湿気補充で必要だから続けるけど。
薬草採取と一角ウサギ狩で僕のお小遣いは日本円になおせば約2万ちょっとになっていた。必要な物も揃ってきたのでここからはなるべく貯金に回したい。でもあと二月後には冬支度の用意もしなければならないしあまり貯まらないか?いや、ナオやトリオを誘ってダンジョンに行くか?
そう、僕とナオはダンジョンの入り口付近なら2人で来てもいいと許可が出た。なぜなら本来臆病な僕らは風魔法を覚えても勝手にダンジョンの奥に進むことがなかったからだ。……それに知ってるよ。ダンジョンの2階層は子供でも行ってるって。普通に籠背負って白鳥みたいなの狩りして帰るの見たもん。
今日の目標は水魔法を素早く操れるようになること。今は日常生活で使うのに困らない程度くらいのものだからこれを攻撃用にかえる。ゲームで考えればウォータースピアとか?水球かなぁ?でも僕としては水は罠として使いたいかも。……うん、安全に狩をするためには罠って必要だもんね。あれ?だとすれば罠って人数多いと反対に危ない?しかも使って良いのか?
ここで日本との狩りというか猟との違いに改めて気づいた。よし、わからないことは聞こう。ついでに付き合ってもらえればさらによし。
「……ウル~、居ますか~?」
お菓子やさんの横から伸びる階段を登りウルの家のドアを叩く。もうお昼近いから出てるかもしれないけど。
「……………居ないか~。」
「ウルなら早朝に出たよ。昼には戻るって言ってたけど?」
向かいのパン屋さんが教えてくれた。いい臭いが漂う。芳ばしいパン屋独特のあの匂いだ。
「いらっしゃい~」
「こんにちは~。教えてくれてありがとうございます。」
「いやいや、見えたからね。待つの?」
「はい、パン食べながら待とうと思って。」
お、カレーパン見つけた~。ツナコーンパンもあるし焼きそばパンも良いな…ん~、鳥ゴボウマヨサンドかぁ。棄てがたいが……あんドーナツも……。
諦められない僕のトレーには山盛りのパンが乗ってしまった。
「大丈夫かい?大袋で2つあるよ?」
「うん、……大丈夫です。」
こんなときあのポーチがあれば良かったんだけど今日は持ってないんだよね。今度からあのポーチは常に持ち歩こう。
「……アッ!ちょうど良いとこに!」
両手に抱える大袋の大きさと僕を交互に見てたおじさんは突然外に向かって動いた。
「ウルーーー!お前にお客だ。ついでに持ってくれよ。」
なんと、ウルが帰って来たらしい。
薬草採取と一角ウサギ狩で僕のお小遣いは日本円になおせば約2万ちょっとになっていた。必要な物も揃ってきたのでここからはなるべく貯金に回したい。でもあと二月後には冬支度の用意もしなければならないしあまり貯まらないか?いや、ナオやトリオを誘ってダンジョンに行くか?
そう、僕とナオはダンジョンの入り口付近なら2人で来てもいいと許可が出た。なぜなら本来臆病な僕らは風魔法を覚えても勝手にダンジョンの奥に進むことがなかったからだ。……それに知ってるよ。ダンジョンの2階層は子供でも行ってるって。普通に籠背負って白鳥みたいなの狩りして帰るの見たもん。
今日の目標は水魔法を素早く操れるようになること。今は日常生活で使うのに困らない程度くらいのものだからこれを攻撃用にかえる。ゲームで考えればウォータースピアとか?水球かなぁ?でも僕としては水は罠として使いたいかも。……うん、安全に狩をするためには罠って必要だもんね。あれ?だとすれば罠って人数多いと反対に危ない?しかも使って良いのか?
ここで日本との狩りというか猟との違いに改めて気づいた。よし、わからないことは聞こう。ついでに付き合ってもらえればさらによし。
「……ウル~、居ますか~?」
お菓子やさんの横から伸びる階段を登りウルの家のドアを叩く。もうお昼近いから出てるかもしれないけど。
「……………居ないか~。」
「ウルなら早朝に出たよ。昼には戻るって言ってたけど?」
向かいのパン屋さんが教えてくれた。いい臭いが漂う。芳ばしいパン屋独特のあの匂いだ。
「いらっしゃい~」
「こんにちは~。教えてくれてありがとうございます。」
「いやいや、見えたからね。待つの?」
「はい、パン食べながら待とうと思って。」
お、カレーパン見つけた~。ツナコーンパンもあるし焼きそばパンも良いな…ん~、鳥ゴボウマヨサンドかぁ。棄てがたいが……あんドーナツも……。
諦められない僕のトレーには山盛りのパンが乗ってしまった。
「大丈夫かい?大袋で2つあるよ?」
「うん、……大丈夫です。」
こんなときあのポーチがあれば良かったんだけど今日は持ってないんだよね。今度からあのポーチは常に持ち歩こう。
「……アッ!ちょうど良いとこに!」
両手に抱える大袋の大きさと僕を交互に見てたおじさんは突然外に向かって動いた。
「ウルーーー!お前にお客だ。ついでに持ってくれよ。」
なんと、ウルが帰って来たらしい。
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