集団転移ですよ。

白いモフモフ

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ダンジョンとは

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 森の中にポッカリと開いた洞窟、入り口付近には冒険者以外が入り込まないよう兵が立ち目を光らせる。一歩中に入ればひんやりとした空気が肌を撫でて素人の自分達の足をすくませる。
 足元はぬかるみ滑りやすく壁や天井は染み出した水で濡れている。奥に進めば光は一切入らず手元も灯りのみが頼り。

 ダンジョンといえばこうでしょ?しかし!今僕の目の前のダンジョンは似ても似つかない物だった。

 森の中に…はあってるんだけど、大きな門が立ちギルドの職員が「手続きはココ」と書いた派手な看板の下で寛ぎ、横にはお弁当屋が軒を列ねていた。
 ポカンと口を開いてイメージが崩れたダンジョン入り口を見ている僕にサイールが頭を一撫でして「このダンジョンだけだ。」と教えてくれた。
その言葉をちょっと勘違いした僕は中に入ればイメージ通りかと期待したが、中も期待を綺麗に崩してくれた。
 洞窟なんだろうけど、入り口は広くて10人は並んで歩ける。なんならバスケットできるよ?
天井も高くて爽やかな風が吹いていて気持ちが和んでしまいそうだ。明るさもある程度有り、ランプや懐中電灯の出番は全く要らない。

 その中を僕ら5人は各保護者に守られて歩いた。しばらく歩くと奥から小さな子供が篭を背負って歩いてくる。ダンジョンに子供が1人で来て大丈夫なのかと思っていたら、先頭の内田君達に何かを話している。

「あれは茸屋の子だろう。この奥に茸を育ててる場所がある。」

 は??茸を育ててる?養殖場が有るってこと?ダンジョンの中に?
 僕の隣にいたナオもサイールの説明に残念そうな表情だ。

「ダンジョンで育った茸は味が良いと評判でな。人気のわりに収穫量が少なくて困っていたら養殖の仕方を日本人が教えたんだそうだ。」

 ……誰だよ、ダンジョンのイメージ台無しにしたのは。生徒か?生徒だとしたら僕は声を大にして言いたい。『ゲームのダンジョンのイメージって知ってるでしょ!イメージって大事なの!解ってよ!』ってね。

「ほら、この先はちょっと暗くなるからそんなに離れてないでこっちにおいで。」

 養殖場を抜けた先で少し空間が狭まるらしい。ウルに呼ばれたので横に並び暗い方を見る。まぁ確かに暗いけど、ランプをつけるかどうか迷うくらいの暗さだ。

「さぁ、この先から本当にダンジョンだと思って。出てくる魔獸は一角ウサギ、スライム、大芋虫くらいだけどそれでも下手すればケガじゃすまない。私たちの傍を離れないで。今日はどうやって倒すのか、倒した後の処理をよく見てようね。」

 前に相澤君、内田君のグループが並び、僕とナオのグループが真ん中、後ろに佐藤君のグループがいる。そうなると当たり前の事だけど相澤君と内田君のグループが魔獸を倒しているので僕たちの方には全く来ない。後ろに出ても佐藤君の所で倒すのでやっぱり来ない。
 ……ねぇ、並び順途中で変わろう?
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