集団転移ですよ。

白いモフモフ

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迎え

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 自分のダメダメさに落ち込んでいる場合じゃ無いと気持ちを立て直してると馬のような足音が近くまで来た。数はかなり多そうだ。向こうには静かにする必要は無いらしく足音や馬の嘶き、ガチャガチャとした音が響いている。モンスターではなさそうな事に安心し、もしかして教頭先生がいうお迎えか?と先生を見ると、確認の為格子窓から覗いた後、しっかりと頷いた。

 一同がホッと息をついた時、ドンドンと扉を叩く音と思いがけもしない声がした。

「ジュン君、ナオ君、居ますか!?僕、Aクラスの早瀬 司です!川崎先生、いるんでしょう!?」

 この声は確かにAクラスの早瀬君だ!自分達と一緒に前年のリタイア組みとして前の方にいたし、間違いないよ!そう僕達2人が頷くと先生が戸を開けに行った。
 飛び込んで来たのは確かに早瀬君のようだが様子がちょっと変わってる?。背が大きい?伸びてる?学校のジャージじゃない。……そして「良かった…本当に良かった」と大泣きしていた。

 お迎えの人達と一緒に現れたという事はやっぱり多少の時差でこちらに来ていたのだろう。知らない人ばかりでない事に安心する。それに教頭先生のこの文で意味分からない所なども聞けるかもしれない。
 早瀬君の後ろから続々と入ってくる超大柄の人達の事も聞きたい。僕達はまとまって部屋の角へと移動した。

「6人で全員ですね?」

 そう聞いた早瀬君に先生がそうだと頷くと早瀬君が大柄の人達の中でも貫禄のある人に何かを言いに行く。戻って来た早瀬君はパニーニのようなサンドイッチを持って来てくれた。

「色々とお話をしなければならないんです。奥のベッドルームへ行きましょう。」

 と大型のランプを持ち上げた。迎えに来てくれた人達は色々な物も持ってきてくれていて、ベッドルームへ小型のストーブ2つ天井から下げるタイプのランプを4つ、毛布と食べ物を人数分用意してくれる。
 
 早瀬君を中心に輪になるように座り込み食事をしながら話を聞いた。驚かないでねと前置きがあってもその内容は驚くものばかりで僕達の表情は沈んだものになっていった。

 この世界に辿り着いた人達はそれぞれに時間が違うようで自分達の時間とは大差があり一番最初に辿り着いたといわれる人はもう300年以上昔の事だという。当たり前のようにもうすでに故人となっている同級生がいるという事に別の世界に来てしまった以上のショックを受けた。この小屋を建てたという教頭先生も既に200年以上前に飛ばされていた。この小屋はそんな教頭先生がこれまでの伝承や自分より先の時間に飛ばされた元生徒の話を聞き、これから来る生徒の為に避難所が必要だと建てたものらしい。教頭先生は最後の最後まで生徒や他の先生の事を案じて様々な物を残したという。

「僕は3年前にここに来たけど…来る前は実は教頭先生と一緒だったんだ…。濃い霧がでた直後、教頭先生は近くにいる生徒を呼んできて固まって待っていようと言って皆を呼びに行った。僕には絶対に動かないようにって言ってね。」

 僕達6人を見て言う早瀬君はとても複雑そうだった。
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