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重大発表。の筈でした

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 晃一への「赤ちゃん出来ました。」の報告は大変な事になった。僕を守るというか独り占めというか…2人きりになりたくて、つい周りの人を排除してしまったらしい。
 つい、で威圧を受けるハメになった倉持さんは凄く可哀想だと思う。ついでに佐藤さんも巻き添えになっていたし…。倉持さんは外まで飛び出して息を切らしていたらしいから後でちゃんと誤らないとね。

 「晃一、ちょっと…」

 「嫌だ。離さない。」

 気恥ずかしいし、ギュウっと抱き締められてるから腕が痛いのだが…、感無量とばかりに頬にキスしたり、僕の頭を抱えて撫でたり、こうやってギュウっと抱きしめていたりと行動で示されると離れてとは言いにくい。
 
 「空、ありがとう…本当に嬉しい。あぁ!空!」

小さなキスをいっぱい降らせながらの「愛してる」
「大事な空」と囁きがこそばゆい。なんか、すっごく照れる。

 「うん。晃一、僕も愛してる。この子と一緒にずっと愛して…。」

 照れながらも、最大のおねだりしてしまいました。

 1時間もイチャイチャしていたと思うけど、晃一に抱えられているうちにだんだんと…眠気が…。


 「奥様、奥様起きて下さいませ。」

…だれ?…んー…佐藤さんの声。まだ…寝る……。

 「起きて下さいませ。」

 「ん?無理かな?」

…むりです…。あったかい…。

 「空兄様、かわいい~」

…ん…ん?…空兄様?……四季くん?

 目を覚ました事を後悔……嫌、違う。寝てしまった事を後悔した。僕を覗き込むお義父様、お義母様と四季君に、蔓延の笑みの晃一の顔。

…なに?なに?どうしたの?吃驚した!

 「ごめんね空、驚いてるね。両親に話に行こうと見たら、寝ちゃってて…、起こすのも可哀想だからそのまま連れて来たんだよ。」

 「ごめんなさい…寝ちゃった…。」

もう、起きたからと慌ててこの体制を止めてもらおうとするも、腕が離れない。僕の腰にガッチリと回って晃一の膝の上に横向きで抱えられている。
 さすがに、ご両親と四季君がいる前でこの格好のままというのは避けたい。
 …なんとか説得して降ろしてもらうのに10分はかかった。嬉しいけど恥ずかしいってわかって下さい!

 それに、おかしいと思うのですが?確かにお2人に報告しなきゃならないけど、寝てる人起こさないで運ぶって…。可哀想だから起こさないって…。

 「ほら、空ちゃん混乱してるわよ。可愛い子を自慢したかったの?でも寝ちゃってるところを連れてくるなんて…」

 お義母様!ありがとうございます。僕の気持ちを伝えてくださって…。

 「ちゃんと上掛けかけてからじゃないと風邪引いてしまうわ。今一つ気配り足りないわね?ごめんね空ちゃん。」

 …違います。そーじゃ無いです。

 「まぁ、空君も起きた事だし要件を聞いたほうが良いだろう。寝てる子を連れてまで話をしに来たのだ。大事な事なんじゃないのか?」

 お義父様…有り難うございます。さり気なく本題に移らせていただきます。
 隣に座った晃一を見るとそれはもう甘い笑みで僕を見ている。…僕から報告ですね。

 「えっと…実は、赤ちゃん出来ました。」

 言葉って難しい!もっとちゃんと言い方ないかと探したけど、僕の語彙が少ないのかこんな報告しかできなかった。まぁ、ご両親は大喜びだし四季君ははしゃいでるし歓迎さてる様だとわかったから…良いかな?

 
 そもそも、僕が気付いた理由は編み物の本を探していたとき病院の指導員から渡された本を見つけたからだ。本の名は〔番になって半年のあなたへ〕というまだ早いけど、見ても良いよね?とパラパラ流し読みした。
 そのときの初めの方で 〔あなたは今妊娠してますか?〕という文が目に入った。…まぁ、そういう事をしてるのだからいつかはねぇ。なんて思いながらも読み進めると、 〔まだの人は念の為、キットで検査しましょう〕 とある。…この本と同じ時に貰ったいかがわしい道具類の中にそういえばあったなと思い出して使ってみた。



 僕の頭の中で【大当たり~】と流れる。もう一度説明書を見る…間違いない!病院、病院!電話~とついこの間退院した病院に電話すると、運良く仲良しのお姉さんが出た。

 「入院していた時に血液検査したけど、その時に採った血で他の検査出来る?」

 「何?どうしたの藪から棒に。出来ないよ?あ、でも空君に連絡する事があるって先生言ってたからちょっと待っててもらえる?」

 タッタッタァ~タッタッタァ~タラララ~タララ~  ああ、また歌いたくなっちゃう曲だ。私は~元気~歩くの大好き~

 「もしもし?空君。気持ち良く歌ってるところ悪いけど良いかなぁ?」

……声にでちゃってた。……恥ずかしい…。

 「すみません!ごめんなさい。」

 「いやいや、かまわないよ?空君から連絡あって良かったよ~。でもわかったから電話してきたのかな?」

 「えっ?あの…それって、やっぱり?間違いなく…出来てるってことでしょうか?」

 「うんそう。おめでとう~。何?気持ち悪くなったりした?」

 「いえ、偶然ちょっと気になってキットを使ってみたら…。」

 「そうなんだ~。基本、病院から渡したキットは病院で使ってるのと同じだから信用して良いよ。とにかく、近いうちに来なさいねぇ。」

 お礼を言って電話を切ったが、もう僕は舞い上がってしょうがなかった!
 誰彼構わず言って廻りたい!!晃一の子供だと自慢したい!……自重するのが大変だったけど、やっぱり一番に知るのは晃一じゃなきゃと抑えた。



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