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81話 当日
しおりを挟む「いやぁ、めちゃくちゃ緊張します!」
時は過ぎ、大会前日である。
「大丈夫だよ、ジュニア。みんなを見てみな。」
パッ
ジュニアは訓練終わりのみんなを見た。
みんなは練習の疲れからくるものとはまた違った小さな震えを起こしていた。
「みんなだって怖いんだ。緊張することは悪いことじゃないよ。それほどまでに思いを込めてるってことだからね。」
「そうっすね!皆さんもやっぱり大事な戦いの時は緊張するんですか?」
ジュニアはセレス、キング、相斗、健の四人に聞いた。
「いや、ないな。」
「タケルさんはそう言うと思ってたっす。」
「俺もないかな。」
「キングもどうせそう言うと思ってましたよ。アイトさんはありますよね?」
「いやぁ、はっはっはっ。」
相斗は困りながらごまかしで笑った。
「あぁ、ないんすね。」
「(本当にもう嫌だこの化け物じみた3人。なんなの、鉄の心臓すぎて心折れそうっす!」
「私はタケルさんとやる時は緊張しましたね。」
「セレスさん!!!!大好きっす!」
ジュニアはセレスに抱きついた。
「なんだこいつ。セレスのことが好きなのか。」
「そうだね。まあ、僕たちのせいってのが大きいけどね。」
タッタッタッ
五人の横をセイが通ろうとした。
「セイ、どうだ。」
健がセイに話しかけた。
「完璧だ......です。」
「そうか。今日はゆっくり休めよ。」
「はい。」
タッタッタッ
「珍しいね、健から話しかけるってのは。」
「それに、セイのやつはタケルさんの前になると言葉遣いが変になるんすよね。」
「確かに変だったねぇ。」
「あいつは今まで敬語なんて使ったこと無かったから、尊敬出来る存在ができて困ってるんですよ。シッシッシ、見てて面白いです。」
「健とは違う角度で性格悪いよねジュニアも。」
「それを笑顔でいうアイトさんもなかなか..........」
「ジュニアもそろそろ帰れ。明日に備えろ。」
「わかったっす!」
タッタッタッ
ジュニアも訓練所から出ていった。
「それで、どうみるのお二人は?」
「私もそれ気になりますね。」
セレスとキングが2人に聞いた。
「大会のことだろ?」
「うん。」
「まあ、勝つだろうな。選抜に関してはここ一ヶ月は俺たち以外と戦ってないから、自信が無いだろうが、前に比べたら相当強くなっているな。」
「健が右足使ってたから相当強くなってるよね。」
「え、どういうことですか?」
「あぁ、ここ最近は選抜の訓練で忙しくて、俺とこいつで戦うことが少なくなって、練習時間が減ってしまったんだ。」
「いや、そういうことではなくて。なんで.........。」
「それは練習だよ。左足を主軸にする戦い方が他の戦闘スタイルに比べて完成度が0.8程だからな。ここで調整した。あ、安心してくれ。決して手は抜いてないからな。」
「え......え....え.....」
セレスは言葉が出てこなかった。
「これくらいで驚いちゃダメだセレス。魔族と五分にやりあった相手だぞこの化け物ユニットは。」
「そ、そうですね........」
「まあ、みんなはかなり強くなってるってことだよ。それも、うっんっとね。」
「そうだな。」
「ち、ちなみに、タケルさんは私と戦っている時は右足使いましたか?」
「あぁ、そうだな。あの時は左足と右手だけだな。」
「はは、そうですか..........」
セレスの声は既に枯れていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「さぁ、始まりました。今回もまた国と国同士の親睦会。力と力のぶつかる大会!力自慢大会がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「ふぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
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