チュートリアル場所でLv9999になっちゃいました。

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67話 集落到着

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「村長、報告致します。」

「あぉ。」

「第三区画へ二人の人間とソフィがいる模様です。」

「....................。」

「どういたしますか?」

「詳細は................。」

「人間の方はかなりの戦闘力があると思われます。」

「ほぉ。」

「やつらは私が気づいた一瞬に気づき、こちらの存在を確認していました。」

「なるほど。して、勝てる見込みは.....。」

「はぁ。最低でも彼ら三人は必要かと。」

「放っておけ。」

「はっ。」



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



「そういえば、ソフィは全然鬼っぽくないんだね。鬼人族っていうから、なんか角生えてるのかと思ったよ。」

「あぁ、私は角を隠せるんですよ。」


ニョキ

 
ソフィから角が生えてきた。


「へぇ、鬼人族ってそんなこと出来るんだ。」

「いえ、出来る人は限られてますよ。」

「じゃあ、ソフィってすごいんだね。」

「いえいえ、そんなんじゃありません。」


 ソフィはなんだか少し表情が曇っていた。それを察した相斗はこれ以上は何も聞かなかった。


「なんかいるぞ。」

「そうだね。5人くらいの気配を感じる。今までで感じたことがないから、これが鬼人族なのかな。」

「多分そうですね。狩りは五人一組の編成も多いので、その類だと思います。結構、遠くにいますか?」

「あぁ、このまま歩いていれば出会うことはない位置にいる。いよいよ、近づいてきたな.....。」

「そうだね、健。」


 三人は黙々と歩いた。


「この先にあるな。」

「見たいだね。」


 三人は歩いていると明らかに今までの山道とは違う雰囲気を放つ道があった。

 そこが、鬼人族がいるといわれている集落へとつながる道だった。


「行くか。」


 登り道を歩いていき、少し行くとそこには門番がいた。

 周りは木の塀で囲われており、入り口はどうやらここにしかないみたいだ。


「お前は鬼腕は自由に使えるのか?」

「いや、全然。」

「そうか。確か、血や肉を好むんだよな?」

「うん。まって、悪い予感しかしないんだけど。」

「気にするな。」


 門番の近くまで歩いていき話しかけた。



「門の中に入れてくれ。」


 門番は無言だった。

 そして、健は少し近づこうとすると


シャッ

 槍を突いてきた。


「なるほどな。」

「健、危ないよ。」

「ソフィ。小さい刃物はあるか?」

「えぇ。ナイフくらいなら.....。」

「貸してくれ。」

「はい。」

「まって、健!攻撃する気?」


 ソフィは健にナイフを渡した。


スパッ


 すると、次の瞬間に健は自分の腕を切った。


タラァァ


 健の腕からは血が流れた。


「相斗、さっさと右手置け。」

「あ、あ、うん。」


 ビックリした相斗は少しだけ反応に遅れ、切れた部分に右手を置いた。



「(ほぉぉ、これは美味い!!上質な血じゃ!!全部、わしのものじゃ。)」


「させねぇよ。」


"超回復Lv3"

"自然治癒力Lv5"


健は綺麗に切った傷を治した。



「ちっ、思った以上に吸われたな。」

「健!!」

「おぉ、よかったな。」


 血を吸った右腕は活性化し、以前の手のように鋭利な爪になった。


「これでどうだ?要件はわかっただろ?」

 
 そう問いかけられた門番は以前として口を聞こうとはしなかった。


「なるほどね。じゃあ、仕方ないか。」

「待った待った。」

「誰だ?」


 ギィーン


 門が開き、一人の二本の角の生えた男が出てきた。



「お前ら入れろ。」

「はっ。」

 男の一声で門番はあっさりと門の前をどいた。



「さぁ、入ってくれ。俺の客人としてこの集落へと招待しよう。」


 男にそう言われ、二人は行こうとした。


「ソフィ、どうした?」


 後ろでソフィは震えていた。
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