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64話 俊足
しおりを挟む「その見えてるものが濃ければ濃いほど魔力は高く、範囲が広ければ広いほど魔力制御が上手いってことよ。」
「なるほどな。」
「あれ、でもキングには出てないよ?」
「まあ、俺は魔力はほとんど使えないからね。操術と仙術を主に使ってるからね。」
「ほとんどって見栄はるんじゃないよ。全く使えないの間違いじゃないかしら。」
「くっ..........」
「へぇ、キングって操術使えるんだぁ。」
「竜騎士だからね。竜を操るのには特殊な以心伝心が必要なんだよ。」
「そういう事ね!だから、竜騎士がすごいって言われてるんだ。」
「そういうこと!」
「それより、仙術はどうして使えるんだ?」
「あぁ、それは昔に仙術を教えてくれた人がいたんだ。気まぐれな師匠で1ヶ月位しか教えてはくれなくて、気がつけばどっか行ってたんだよ。本当は二人にも紹介したいんだけど、師匠を探すのは一苦労だよ。」
「そうか。それは、残念だな。会ってみたかったんだがな仙術の使い手に。」
二人は一通りの会話を終え、クイーンの店から出ていった。
「ということだ。しばらくは戻ってこれない。」
「どういうことっすか!!せっかく、王都まで追いかけてきたのにひどいっすよ!!」
鬼人族を探しに行くとジュニアとセイに伝えるとジュニアが駄々をこね始めた。
「まあ、そういうな。お前ら二人は十分強くなった。そして、これからも強くなれる。次会う時には俺らを驚かせてみろよ。」
「(へぇ、健ってこういうちょっと熱いことも言えるんだぁ。意外だな。)」
「そうですね!確かに頼ってばっかりじゃダメですよね!次会った時は二人でどちらかに一撃当てれるように頑張ります。」
「(ちょろいなぁ)」
相斗とセイは目を合わせて互いにそう思った。
「まあ、このまま去るってのも気が引けるからとりあえずお前らに技を教えてやる。これは、俺が3年の月日を考えて作った技だ。」
「え、いいんですか!!」
「大会で勝ってくれさえすれば俺はかまわないさ。」
こうして、健はジュニアとセイに技を教えた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「迷ったの?」
「迷ってない。」
「これ、迷ったね。」
「迷ってない。」
「いやいや、これは迷っ.....」
「迷ってない。」
「それなら、ここがどこか教えてもらっても?」
「.............................................迷ってな」
「あぁ、もうわかったよ。」
健は方向音痴であった。地図は読めても何故だか目的地につかないという極度の方向音痴であった。
「さっきここにいて、今のこの太陽の位置からすると、ここはきっとここだ!!!」
相斗が地図で指を指した場所は目的地と真反対の場所であった。
「いや、健ならやってくれると思ったよ。あの健なら任せてもいいって思ったよ。そんな僕が馬鹿だったよォォォォォ。」
「お前、絶望的にムカつくやつだな。」
「いやぁ、正直にいうと嬉しかったよ。いつもは冷酷で無慈悲で大体のことをそれとなくこなす健にも全くできないことがあったなんて、嬉しい限りだよ。」
「全部悪口じゃねぇかよそれ。」
「まあまあ、そんなことを言ってないで早くついてきてよ。」
相斗と健は走った。さっきまでのロスを取り返すようにまるでセリ○○ティウスを王の元へ置いていったメ〇スのように。
俊足Lv5・・・めっちゃ足速い。本気を出せば馬も軽々と抜かせるほどに。
┈┈┈┈┈2時間後┈┈┈┈┈
「とりあえずは予定の場所にはついたね。」
「そうだな。鬼人族のいる場所まではあと2日の予定か。それより.....」
「わかってるよ。健は少しは落ち着けないの。悪意がないのを見るとブリオンナイトかもしれないでしょ。」
「いや、それにしては追いかけてくるのが下手すぎる。」
2人の後ろには何か気配がしていた。
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