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55話 騎士団
しおりを挟む「まだ、身体中が痛い。」
「僕もだよ。最初にガードした時に負った痛さでまだ左腕が動かない。同じくうけた右腕は何故だか完璧に動くんだけどな。」
「当たりどころだろ。」
「それで、お二人さん。今日は訓練が出来ないと??」
キングが笑いながら怒りのオーラを出しながら、話に入ってきた。
「今日は許してくれ。」
「でも、二人の治癒力でも一日で治んないってどんだけ暴れたのさ.....」
「まあ、相手がこいつじゃ腕の一本くらいは覚悟したんだが、残ったのが打撲だけで済んで良かったと捉えることも出来るぞ。」
「そうかい。」
「それにしても、どうだ訓練の方は。」
「うん、驚く程に順調かな。先日とは比べものにならないほどにみんなが強くなってるよ。」
傭兵の平均の強さは倍近く上がっていた。
「それにしても、セイとジュニアは凄いね。傭兵じゃ相手になってないじゃん。」
「まあ、あのダンジョンであんな怖い思いしたら、人なんて大したことないよ..........」
「それにしても、動きが綺麗だ。日頃から努力を怠らなかった者の動きだ。」
「やっぱり、二人とも強くなりたかっただよ。」
「そんな向上心が高いやつでこの世が埋まってくれれば、俺らがこんなことをしなくて済んだのにな。」
「まあ、それだったら僕らは必要ないからね。そうじゃないから、ここにいるわけでさ.....」
「訳の分からないこと言ってないで、アドバイスくらいはしてあげてよね。」
キングは二人に強く言った。
そして、キングが戻ると二人で話し始めた。
「でも、正直どうだと思うよ。」
「何が?」
「間に合うかってことだ。相手の数も力の数も未知。分かっているのは止めなきゃこの世界が滅ぶってことだけだ。そんな奴らのレベルまで半世紀も経たずして勝てると思うか?」
「逆じゃないかな。」
「どういうことだ?」
「閃いたんだよ。その復讐をしてくる奴らを今のうちに僕らが叩いちゃうってのはどうかな?」
「バカかお前は。
それで、どうにかなるなら神は強くしろなんて言わなかったはずだ。どこか、アルの言葉にヒントがある。何か、解決策がきっとだがあるはずだ。」
「でも、とりあえずは僕たちももっと強くならなきゃね。」
「それはそうだな。クイーンが言っていた仙術ってやつも気になるしな。」
「キングに聞いてみればいいんじゃないかな?さわりくらいは知っているみたいなニュアンスでクイーンさん言ってたよね。」
「今度、聞いてみるか。これ以上話してるとまた怒られそうだからいくとするか。」
「そうだね。」
二人は重い腰を上げ、訓練している傭兵たちの元へと行った。
「随分と強くなったよなは本当に。」
「うん。僕達はまだ基礎的なところしか教えてないのに、応用とかまでしている人たちもいるよ。」
「そういえば、力自慢大会が行われるんだったな。お前なら誰を出す?」
傭兵たちを見てそう言った。
「うーん、僕ならあの人とあの人とあの人とあの人ら辺は結構いいと思う。」
相斗は何人かの傭兵に指を指した。
「もちろん、出せるならセイとジュニアも考えてもいいと思うよ。」
「俺もそう思う。ジュニアは傭兵たちとも引けを取らないほどに強くなっていて、セイに関してはここにいる中ではぶっちぎりじゃないか。」
「セイなら出せるよ?」
「う.....ビックリさせんな。」
キングが横から話に入ってきた。
「どういうことだ?」
「別に警備隊のセイでも大会に出れるんだよ。規定上は国の武力であればなんら問題ないから、極端な話をすると一端の警備隊から代表を選出しても問題はないんだよ。」
「じゃあ、セイを出すといい。あいつは強いぞ。」
「確かに強いけど、傭兵たちの中にいればって話でしょ?」
キングは他にも誰かがいるというニュアンスを含めながら言った。
「この国にはいるんだよ。最強の軍隊と呼ばれる騎士団がさ。」
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