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36話 アイコレクター
しおりを挟む「さすがに市場に出回ってないものの値段は私でもつけられないわよ。」
「唯一、市場に出たことがあるのが、ランクSSのビーコンバットの羽ね。」
「あぁ、あの第一層にいたやつ。」
「ビーコンバット自体はこのおこちゃまキングでも倒せるレベルだけど、やっぱり、群れになる傾向や採取の難しさから市場には二度しか出てないわ。
その上、かなり上質でいい素材。それに、蝙蝠系のマニアとかもいるのよ。あいつらは結構、富裕層だから金に糸目はつけない。
それも加味して、この完璧な保存状態ならこれくらいは最低額ね。というか、私がこれで買取って流しても儲かるわね。
他はさっぱりよ。どれも、一流品なのはわかるけど、どれも前例はないわね。
全てが国宝レベルになりうるものよ。まあ、ざっと軽く見積って、この国と隣の国とオマケに城を100個はつくれるんじゃないかしら。」
「これは、ビックリだな。」
「なんだか大きすぎて想像出来ないね。」
2人にはあまりにも現実感のない話で特に特別な感情が出たということは無かった。
「でも、これらは売れないわね。というのも、こういうのを一気に市場に流すのは何かしらめんどくさくなるのよ。」
「やっかみとかも含めてな。」
「だから、売るなら国に直接か、売らずに武器なんかに加工するとかかしらね。」
「まあ、武器にするには勿体ない素材なのは確かだけど。」
「どうする、健?」
「売れるものは売ろう。金はいくらあっても困らない。」
「それと、武具なんかも作ろう。金も素材もあるから、かなり慎重に決める。これで、その先はその時の自分たちに託す。」
「それが一番いいね。考えるのもめんどくさいしね。」
「クイーンさんにもなんか一つあげますよ。鑑定ありがとうございました。」
「えぇ、いいの!!」
「はい。僕達じゃ価値は分かりませんでしたからね。」
「じゃあ、これを貰うわね。」
そう言って、クイーンが取ったのは4層にいた蜥蜴の魔物の眼だった。
「こいつはアイコレクターなんだよ。」
「このランクSSのリキッドリトルドラコの眼はこの先拝めるかもわからないからね。
本当に、いいの?」
「いいですよ!!いいよね、健?」
「あぁ、全然いい。」
「ありがとう。大好きよ!!」
クイーンは2人に抱きついた。
二人は満更ではない顔をしていた。
「これは、私に任せといて。完璧な値段で売ってくるわよ。」
「お願いします!!」
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