チュートリアル場所でLv9999になっちゃいました。

24話 別行動

「って、ことなんで少しの間はキングと稽古していいかな？」


 相斗はキングに稽古をしてくれるように頼まれたのである。


「あぁ、いいぞ。俺もセイにちょうど頼まれた所だったからな。」

 
 相斗とキングが席を立って少しした後に健はセイに呼び出されたのである。

「頼む、鍛えてくれ。」

 と一言いい頭を下げたのであった。

「まあ、ここまで連れてきてもらったからな。」

 健はそういい承諾した。



「あの、セイが人に頭を下げるなんてことがあるんですね。」


 ジュニアが話を聞き付け話しかけてきた。

「そうなのか？」

「はい。昔、セイは騎士団に誘われたんですが、上の人の態度が気に入らなくて手を出しちゃったんですよ。

 それで、騎士団への入団の話はなしになり、上の人の判断も良くなかったってことでクビにはならず、この小さな街で警備隊をやってるんすよ。」


「そうなのか。確かに一端の警備隊としては強すぎるもんな。」

「健の一撃を受けて膝をつかなかった時はたまげたよねぇ。」

「俺はもちろんスキルは控えていたが、それにしても、あれを止められたのは驚いたな。」


 そんな話をしながら宴を楽しみ、二人はジュニアの家がやっている宿へと行くことになった。



「ここか。」


 特に突出して変わったことの無い宿屋だった。



「母さん、帰ったよ。」

「おかえりなさい。

  あら、そちらのお二人は？」

「母さん知らないの？今日、街中で噂になってる人たちだよ。」

「相斗といいます。こっちのぶっきらぼうは健です。しばらく、ここにお邪魔させていただくことになりますので、よろしくお願いします。」

「あらあら、丁寧にありがとね。」

 じゃあ、部屋の案内してあげて。今日はご飯とかはいらないんでしょ？」

「はい、大丈夫です。先程、たくさん食べてきたので。」


「じゃあ、部屋はこっちっす。」


 ジュニアに連れられ、二人は部屋へと移動した。



「おい、待て。」

「どうしたんすか？」

「相部屋か。」

「そうっすけど、嫌でしたか？」

「嫌だ。」

「えぇ、なんでそんなこと言うのさ健！俺達は20年という月日仲良くしてたじゃん！！

 今更、そんなこというの酷くない！！」

「だからだよ。いつも居たからこそ、休息くらいはくれ。」

「あ、はい。わかりました。今すぐ手配しま.....」

「いや、大丈夫だよジュニア。」

「このワガママさんは僕がなんとかするからさ。」

「さっきから一言多いぞお前は。」

「事実を言ってるだけだよ。

  明日は稽古つけてあげるって約束したんだから、しのごの言ってないで寝るよ。」


 こうして、2人の濃い一日は終わった。