チュートリアル場所でLv9999になっちゃいました。

22話 2人の戦い

「じいさん、セイのスキルは発動してたか？」

「いいや、全く反応はなしじゃ。」

「そりゃあ、すごいなセイのやつ。それにしても、じいさんってスキルの発動の有無もわかるんだな。」

「なぜ、知らずにそれを聞いたんじゃ.....」

 トムじいさんも少し困っていた。完全に健のペースに乗せられていた。

「いや、わかるかどうか聞いて「わからん」ってはぐらかされるのはなんか嫌だなって思ったからかまをかけた。」

「そうかい。」

 トムじいさんはもう何も言わなかった。


「いやぁ、タケルさん！僕は最初から気づいてましたよ！お二人が強いことなんて知ってましたって！！」

「調子の良い奴だな。それにしても、セイは強いな。今の俺の一撃で倒れないのは並の根性じゃ無理だ。」

「セイは昔から強くなりたがってましたからね。」

「ある目標を達成するまで負けられないって尋常じゃない信念を持ちながら鍛錬してましたから、僕じゃ全くかなわないですよ。」

「そうなのか。」


「勝者はアイト！！」

「うぉぉぉぉぉお！」


「あ、アイトさんも終わったみたいですね。」

「みたいだな。」

「次はタケルさんとアイトさんですか.....。怪我しないでくださいよ、タケルさん！！」

 ジュニアはどうやら相斗よりも健が弱いと思っているようだ。


「まさか、誰が思ったことでしょうか。キングが敗れること、初出場の参加者が決勝で当たること、そして、どちらも全ての試合を一撃で終わらせたこと。」

「どちらが勝っても今回は歴代最高の大会となること間違いないでしょう！！」

「それでは、選手の入場です。」


 2人は今までの人生で浴びたことのないほどの歓声と拍手の中ステージまで足を運んだ。


「お前とやるのはこれで何度目だろうな。」

「わかんないよ。数えられないほどやったからね。今回は負けないよ。」

「俺もその気だ。」


「なあ、相斗。」

「どうしたの？」

「俺らが全力でやればここがぶっ壊れて、周りの人らが怪我する可能性があるとは思わねぇか？」

「僕もかなりの確率でそうなると思う。」

「だから、周囲の安全に配慮してやることにしよう。」

「いいよ。健がそんなことを言うとはね。」



「では、お二人とも準備はいいかい？」

「はい。」

「あぁ。」

「それでは、正々堂々と戦うように！！」

「はじめ！！！」


シュン


ドンッ


「やっぱり、正面の蹴りはもう無理だよね。」


 相斗は笑いながら言った。

 しょっぱなから相斗は健へと蹴りを入れた。

 それを右手で軽々と健は止めた。


「何回見たと思ってる。」


「すげぇ。本当に蹴りでキングを倒したんだな.....。全く速くて見えなかった。」

「それよりも止めたあっちの兄ちゃんの方がすごくねぇか。」

「キングでも一撃だったのにな.....」

「どうなってんだ。」