チュートリアル場所でLv9999になっちゃいました。

17話 賭け

「おぉ、お前ら予選を抜けてきたのか！まさか、本当に手練とはな！これは、期待が高まるな。」

「そうなんですよ。健はもう試合なんでいないですけどね。」

「タケルはどのくらい強いんだ？」

「まあ、桁違いにですかね。相手の人が死ななきゃいいですけど。」

「何、冗談言ってんだ。ハッハッハ。」


 相斗は本当に相手が死なないことを願っていた。


「健、力加減はちゃんとするんだよ！」

「わあってるよ。んなことがわかんないほどアホだと思ってんのか。」

「いや、ごめんごめん。思ってないけど、もしもの時僕が責められないように釘を一応刺しておいてるんだよ。」

「本当に性格のいいやつだな。」

「ありがとう。」

「褒めてねぇ。」



「1回戦目はこいつらだ！！」

「皆から慕われる親方！街大工のジョニー」

「ヒュウーーー」


 観客からの歓声がとてもある。人望のある江戸っ子の親方と言う感じだろうか。


「対戦相手はいろんな世界を見て回っている。流浪の旅人、タケル！！」

「頑張れ！！」

「頑張れよ！」


 相斗と兄貴が応援する。


「さぁて、今回はどちらが勝つのでしょうか。ジョニーの実績としましては前回大会は準々決勝までいき、惜しくも敗退ということで、今回はリベンジに来たと言っておりました。」

「対する健は今回が初出場です。予選で行われた腕立て伏せでは300回以上もしているにも関わらず、汗の一滴もかいていないという期待の新人です。」

「さて、倍率を見てみましょう。」


 この大会では賭けが行われる。一戦一戦で行われるものや優勝者を当てるものまである。


「相斗は誰に賭けたんだ？」


 相斗は兄貴から10000キュールを借りた。


「もちろん、健ですよ。」

「あと２連単で健ｰ相斗 で賭けました。」

「ほぉ、よっぽどの自信家だな。」

「兄貴は誰にかけたんですか？」

「お前らには悪いが、優勝候補筆頭のキングにかけたぜ。」

「へぇ、そんな人が居るんですか。」

「って、相斗の1回戦目の相手だぞ！この大会を六連覇している化け物だ。実際、優勝は確定しているから、みんながこぞってキングにかけるんだ。そして、相斗みたいな初めて来たヤツらがカモられる。これが賭けの原理だ。」

「じゃあ、今回は皆さん大損しますね。」

「言うじゃねぇか。」


バンッ


 ジョニーと健の倍率が出た。


「ジョニーが0.4、タケルが25です。」

「これは、やはりジョニーが手堅いと踏んたのでしょうか！」