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13話 冒険者ギルド
しおりを挟む「お二人はどちらから?」
「俺たちは日本っていう東の方にある小さな島国からきたんだ。」
「あーあ、通りで変な格好をしているわけですね。東の方は変な人達が多いって聞きますしね。」
「コラッ!すみませんね、うちの若いのが無礼を。」
「いえいえ、僕らは乗せてもらってるだけで十分です。それで、そちらは?」
無礼なことを言ってきたのが警備隊1年目のジュニア、そして、それを叱ったのは兄貴、それで、黙って後ろで剣を抱えながらいるのがセイらしい。
彼らは基本的に危ない仕事と言われているので、本名では呼びあわないらしい。
素性が割れてしまうと、家族などを巻き込んでしまうんだそうだ。
それにしても、警備隊が危険な仕事とはこれは少し怪しい匂いもしなくないな。
「それで、あなた達のお名前は?」
「俺は健だ。」
「僕は相斗ね。」
「アイトさんはかっこいいですね。」
「ありがとう。」
「俺は不細工で悪かったな。」
「そうは言ってないでしょ健。僕が褒められたからって怒ってんのぉ?」
煽るような相斗はそう言った。
「あはは、お二人は仲がよろしいですね。」
「まあ、こいつとは人生で一番長い時間を共にしたからな。」
「家族よりもですか?」
「あぁ、家族よりもだ。」
それもそのはずだ。見た目は18歳だか二人とも40年も生きているのである。
そのうちの22年を共にしているのだから当然一番長い時間を過ごしたと言えるだろう。
「アイトさんとタケルさんは何をしている方なんですか?」
「僕たちは何をしているんだろうね?」
「さあな。」
「まあ、今は自分探しの旅みたいなもんだよ。」
「へぇ、若いのにあんたら大変だな。」
相斗のペースに呑み込まれ、この場の雰囲気が柔らかくなり、兄貴がタメ口になった。
生粋の陽キャは周りの能力もあげるスキル"明るい性格"という選ばれしスキルでもあるのだろう。
「そろそろ着きますよ。」
「健、最初はどこに行こうか?」
「普通なら冒険者ギルドにいって冒険者になるってのが定石だと思うけどな。」
「え、ご存知ないのですか?この街には冒険者ギルドはありませんよ?」
「...............」
「じゃあ、何か旅人の俺らでも稼げる方法はないか?」
「日雇いとかでも構わない。」
「まあ、あるにはありますけど.....」
「あっ、そうだ!今日は力自慢大会が開催されるはずです!これで優勝すれば10万キュールですよ!」
どうやら、キュールというのが通貨らしい。聞くにこれは人間の間では共通のお金なのだという。換金とかめんどくさいことがないのはいい事だ。
「じゃあ、それに出るか。」
「そうだね。慣れるのも必要だしね。」
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