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10話 遅かれ早かれ
しおりを挟む「ねぇ、健。思ったんだけど、これじゃあ一生埒が明かない気がするんだ。だから、一発思いっきりくらわせた方が勝ちってどう?」
「あぁ、いいぞ。俺も長い戦いは好きじゃないからな。」
ニヤッ
相斗が笑みをこぼした。
「ごめんね、健。」
そう言って相斗は健との間合いを縮め蹴りをくりだした。
一般からしてみれば尋常じゃない速さではあるが、健にはそれが普通の蹴りの速さくらいに認識された。
もちろん、かわせないわけがない。
健は軽々と左から飛んできた蹴りを身体を反らしてよけた。
ドガッ
だが、なんということだろうか。相斗の蹴りは綺麗に健の頭部へと当たったのである。
健は倒れた。
「勝者は相斗~」
「やったね。」
「相斗凄いね。3つのスキルを同時に出すのはなかなか出来ることじゃないよ。」
「3つだと?!」
健は既に起き上がっていた。
「うん。"フェイント"と"錯覚"と"幻惑"の3つを使ったんだ。」
「相手を騙すために使われるスキルだね。確かに、一つだけだったら健の"直感"や"危険察知"に引っかかるかもしれないからね。」
「流石の健もLvカンストスキルが3つも同時に使われたら防ぎようがないよね。経験不足だしね。」
「あぁ、参ったよ。さすがにオートムーブで甘んじてしまっていたな。」
「それにしても、相斗のあの蹴りは独学じゃないだろ?」
「よくわかったね。」
「あの重さはキックボクサーのそれだった。」
「そうだよ。僕はキックボクシングをやってたんだ。」
「やっぱりか。」
「あっちにいた時も強かったのか?」
「まあまあだよ。」
「やっぱり、健は覚えてないのか.....」
相斗はボソッと口に出した。
「ん?なんか言ったか?」
「いいや。あのままやってたら確実に負けてたなって思っただけ。」
「なんでだ?俺の攻撃は当たらないが、相斗の攻撃は当たっていただろ。」
「矢を避けた時の反応速度でわかったよ。遅かれ早かれ見切られるって。」
「だから、僕はルールを決めて早めに終わらせたんだよ。」
「まあ、何を言おうと相斗の勝ちだよ~。健弱い~。」
「あぁ、俺は弱い。だから、もう少し修行をすることにするよ。」
「おいおい、冗談でしょ?」
健は真剣な眼差しだった。
「これは、言っても聞かないんだろうなぁ。」
「相斗も大変だね。」
こうして、2人は(主に健)はまた修行をすることにしたのである。
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